検索窓
今日:14 hit、昨日:24 hit、合計:11,486 hit

4 ページ4

.









「はぁ……」




深いため息をついて窓の外を眺める。



一向にやむ気配がない雨の音が、五月蝿いほどに存在感を放っていた。





「……また今度行けばいいじゃねぇか」




隣の快斗はそう言ってソファに寝転がった。




「トロピカルランド、楽しみにしてたのにな」




「まぁ、お家デートもいいんじゃねぇの」





そう、今日は快斗との初デートでトロピカルランドに遊びに行く予定だったのだ。



しかし生憎の雨と雷でランドは休み。




予定が無くなって、今は快斗の家で絶賛お家デート中だ。





「そういえば……快斗はどうしてキッドをやっているの?」




ふと、そんな質問をした。



快斗に告白された日……あの日からずっと気になっていたことだ。




「それは……親父の仇っていうか……」



「仇?」




「……ああ。八年前、親父がマジックショーの最中に事故死と見せかけて殺されたんだ」






八年前という言葉に心臓がドクンと波打つ。



私の両親が死んだのも、たしかその頃。




「どうやら親父の死は、"パンドラ"が関係しているらしいんだ」






"パンドラ"



数あるビッグジュエルの中の一つにあるとされており、それを持つ者が不老不死の力を持つことができると言われている。




パンドラを見つける唯一の方法は、月にビッグジュエルをかざすこと。
















────────……なんで知っているのだろうか。



"パンドラ"なんて馴染みのない言葉、そうそう聞くことがないはずだ。




「A?どうしたんだ?さっきからボーッとしてるぞ」




快斗の声も聞き入れず、私は記憶の欠片を探す。



その中にひとつ、キラリと輝くピースを見つけた気がした。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
165人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

もっさ(プロフ) - めっちゃめっちゃおもろかったです!更新楽しみにしてます!! (2019年11月29日 17時) (レス) id: 487c093ca1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:華美 | 作成日時:2019年6月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。