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男子になれていなかったせいか、先程のことを思い出すと指が震えた。
言葉少ないAに、幸村が声をかける。
「ごめんね、びっくりしただろ。あいつ悪戯好きでさ……後で厳しく言っておくから。」
「いや……平気だから、全然…… 」
何が平気なのだろう、と自分の発言に呆れてみる。すると、また幸村が口を開いた。
「ふふ、ドキドキしたかい?」
「なっ……し、したに決まってんじゃん!?だ、男子にあんな近くまでっ……」
熱くなっていく頬の温度を感じながら、Aは感情的に幸村にそう返した。
そんなAに、くすりと幸村が笑う。
「顔真っ赤だよ。わかりやすいね、水那月さん。」
「だって……!」
「それにしても、よかった。敬語、抜けきったみたいだね。」
「……あ、」
言われてみれば。
Aは思わず、自らの唇に手を当てていた。
もしかして、昨日のアレが?
「……すごい……会ってまだ二日目なのに……」
「そうかな?」
「うん……幸村くんって、魔法使いみたいだね。」
いや、もしかしたら本当に彼は魔法使いなのかもしれない。
(コミュ力低い私がこんなに喋るとか、まずないし……それに……)
彼を一度見れば、ずっと彼から目が離せないから。
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I like choco - 面白すぎます!心臓バクバクいってるんですけどどうしたらいいですか? (2020年6月28日 20時) (レス) id: 46acbe60c7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 海底学校・・・行ってみたい(*´▽`*) (2017年6月9日 19時) (レス) id: baf811e79e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - これ素敵です!! (2017年1月30日 0時) (レス) id: c6154ab521 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - まゆさん» ダメですよ帰れなくなっちゃいますよ!! (2015年10月17日 23時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - うー....でも仁王君ドンッってされてみたいです....w (2015年10月17日 22時) (レス) id: 8478a5faa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年9月22日 22時