●13● ページ14
.
.
「ごめんね。あいつ、まだ生意気で。」
「え……いや、大丈夫です。」
幸村と並びながら、Aはコート周りを歩いて行った。
変わらず、コートの中からは乾いた音が響く。ちらりとAが様子を伺うと、他の部員らしき人物が練習をしていた。
全部で7人。幸村をいれて、8人。
「……」
「?」
不意に、幸村が立ち止まる。つられるように、思わずAも足を止めた。
「……あの、どうしたんですか?」
「あのさ、水那月さん。……それ、やめない?敬語。」
「え?」
(やめない?って言われても……)
まだ会って数十分しか経ってない相手に、タメ語を使えるほどAに余裕はなかった。
すると、幸村がふふ、と笑う。
その笑みにAはまた、目を奪われた。
「じゃあ、俺が使えるようにしてあげる。」
「……え?……ちょ、何を……」
瞬間。ちゅ、とリップ音が響き、頬に小さく温かみが広がった。
……それと同時に、Aの視界が眩む。
「……!?」
「また明日ね、水那月さん。その時は敬語、使えなくなってると思うから。」
(な……!?)
「おやすみ。……またね。」
その声を聞き届けた瞬間に。Aの視界は、真っ暗になった。
108人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
I like choco - 面白すぎます!心臓バクバクいってるんですけどどうしたらいいですか? (2020年6月28日 20時) (レス) id: 46acbe60c7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 海底学校・・・行ってみたい(*´▽`*) (2017年6月9日 19時) (レス) id: baf811e79e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - これ素敵です!! (2017年1月30日 0時) (レス) id: c6154ab521 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - まゆさん» ダメですよ帰れなくなっちゃいますよ!! (2015年10月17日 23時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - うー....でも仁王君ドンッってされてみたいです....w (2015年10月17日 22時) (レス) id: 8478a5faa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年9月22日 22時