250 ページ50
遂に沖縄を旅立つ日が来た。
チームの皆も来てくれた。
「エイリア学園との試合、頑張れ」
「ありがとう、颯太」
「負けんなよAー。俺たちのキャプテンなんだから」
「ははっ、それどういう意味っ」
颯太と真太郎の言葉に僕はそう返す。
真太郎の言葉に僕は少し笑みがこぼれた。
「あの船、Aの苦手な奴じゃん」
「もう…！忘れたかったのに言わないでよっ」
「寝ていれば大丈夫だよ」
「うぅ…、心兄さん…！」
音也兄さんに弄られたので、心兄さんに抱きついて慰めて貰う。
心兄さんの優しい手つきに寝てしまいそうになる。
「こらA。心困ってるだろー」
「えっ、そうなの！？」
「はい回収ー」
「ぐえ…」
萄兄さんの言葉に驚いていると、修仁兄さんに襟の部分を引っ張られて変な声が出た。
「A、気をつけてね！怪我しないでね！」
「そ、空。泣かないでよ。簡単に怪我なんてしないからっ」
「Aはよく怪我してる。だから心配」
「うっ。気をつけます…」
涙を溜めてこちらを見る空をなだめる。
隣にいた亜久の言葉に言葉が詰まる。
亜久は周りをよく見ているから、その言葉は信用できる。
「修仁、女の子の襟を引っ張っちゃダメだろ」
「ありがとう剛兄さん！」
僕の身だしなみを整えてくれた剛兄さんにお礼を言う。
剛兄さんは微笑んで「どういたしまして」と言った。
「次は」
「？」
翠兄さんの言葉に首を傾げる。
「＿＿＿次は、悠さんと一緒に帰ってこいよ」
「！…うんっ！勿論だよ！！」
その言葉に、僕は翠兄さんの声より大きな声でそう返した。
「兄さんと一緒に、皆に会いに行くよ！！」
僕の言葉に皆はいろんな言葉を投げかけてくれた。
…兄さん、皆待ってるよ。
だから、早く元気な姿を見せて。
カシャッとシャッター音が鳴った。
「よし！これ兄さんに送るね！」
「任せた！」
「任された！」
翠兄さんとそんな会話をしていると、後ろから僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。
僕はその声に返事をして、もう一度皆の方を振り返る。
「…いってきます！」
「「「いってらっしゃい！！」」」
『またね』は必要ない。
僕の帰ってくる場所は此処だから。
船に乗り込んで、バルコニーに出る。
皆に向かって姿が見えなくなるまで手を振った。
…その後、船酔いによりその場で撃沈したのは後の話。
・
ちょい加筆
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恵野(プロフ) - 銀世界の姫騎士 レオさん» コメントありがとうございます。私の気分で更新するかしないかが決まってしまうのですが…汗 ありがとうございます！ (2020年3月11日 22時) (
レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
銀世界の姫騎士 レオ(プロフ) - すごく面白いです！これからも、無理せず頑張ってください！^^* (2020年3月11日 21時) (レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 聖ニャンさん» コメント遅くなりすみません…！汗 励みになります！ありがとうございます嬉涙 (2020年1月16日 17時) (レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
聖ニャン(プロフ) - 凄く面白いです!これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年12月24日 23時) (レス) id: 69449d120b (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 水琴さん» コメントありがとうございます。更新は不定期ですが、宜しくお願いします！ (2019年11月4日 15時) (レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2019年11月4日 12時
