【歌い手】君だけがいればいいだからどこにも行かないで【うらたぬき】 (ページ5)

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5日目ページ5

「は？これどう見てもうらさんがやってるやろ？！だってカッター持ってるやん！」

坂田は叫ぶように言った

志麻くんもセンラも、ずっと俺をにらみつけている

東雲さんは、口元が少しニヤけていた

『浦田くんはこんなことするような人じゃないもの！親友を信じるのが当たり前でしょ？！』

「っ！けど浦田さんがカッター持ってるんやから浦田さんがやっだやろ？！」

『浦田くんがやってないって言ってるならやってないのよ！』

Aは志麻くんにそう言って、島坂船を睨みつけた

『こんな人たち親友…いや、友達なんかじゃない！後悔したって知らないわ！』

Aに手を引っ張られ、そのまま教室を出た

ずっと一緒に笑ってようなって約束したのにな…

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俺が連れてこられたのは裏庭だった

『ね、ねぇA…』

「ん？なに？」

恐る恐る声をかけると、返ってきたのはさっきみたいな感情的な声ではなく、いつもの元気なAの声だった

『その、どうして俺を信じてくれたの…？』

「当たり前じゃん！親友なんだから！」

それを聞いた途端、俺の頬を涙が伝った

「え、な、なんで泣いてるの？！」

『ぁ…ごめ…嬉しくて…っ』

「あーもうほら！おいで！」

そう言ってAはパッと腕を広げた

俺は少しだけ迷ってから、Aの腕の中に飛び込んだ

「うぅ…なんでみんな信じてくれないんだよ…俺やってない…やってないのに…っ！」

ずっと仲良くしてきたみんなに信じてもらえないのは想像以上に辛くて悲しくて、悔しかった

あいつ(東雲)が憎い島坂船だってホントはものすごく憎い

裏切られるなんて思わなかった

信じて、信頼して、何よりも強い絆で繋がってる

そう言ったのは坂田だっけ

そんなの、嘘じゃん

信じてないじゃん信頼されてないじゃん

何よりも強い絆なんて、どこにあるの？

「なんで…なんでなんだよ…どうして独りにするんだよ…」

ポツリとそう呟くと、Aはこう優しい声で言った

『浦田くんは、独りじゃないでしょ？私がいる傍にいる』

＂浦田くんを傷つけるやつは、誰であろうと許さない＂

優しいけど、どこか強くて

俺にはちゃんと見方がいてくれるんだって思って

さらに涙が溢れ出てきた

「あーもう泣き虫だなー…ったくいつものしっかりした浦田くんはどこ行ったのよ…」

そう言いつつも慰めてくれるAに、甘えてしまってもいいだろうか＿＿