82 (祈るみたいに) ページ32
｢！わ｣
ばっと、こんのすけさんが、堪え切れなくなったようにあたしのお腹あたりに飛び込んできて、ふるふるとその頬を震わせた。
｢…っあるじさま、…っ！ありがとうございます…！ありがとうございます！このこんのすけ、主様の元で、出来得る全力を尽くして、今後もサポート致しまする…っ！｣
｢わ、…はわ、｣
｢私のことも何と呼んでいただいても構いませぬ故！｣
ふわふわの頬をあたしのおなかに擦り寄せて言うこんのすけさんがあまりに健気で、空いていた片手で口を押えた。う、うわ、うわあ、…っこのこ、か、かわ、っ…〜！
戸惑いながらもその小さな背中を撫でる。わ、これは、ちょっとは、少しは良い方向に、進展したって…そう、思いたい！
｢私も一緒にがんばりまする｣なんて言うこんのすけさんに、じーんとしてしまって、釣られてあたしもちょっと涙が出そうになってしまった。
｢あたしも、頑張るね、こんのすけさ、……えっと｣
｢！…はい…！｣
｢………あの、…こんちゃん…って呼んでもいいかな…｣
｢〜！｣
ぱっと浮かんだその呼び名に、こんのすけさん…こんちゃん！が｢はいっ！｣と大きな返事をしてくれて目をきらきらさせる。うっ眼前でハートキャッチビームを喰らってお姉さんそろそろ直視きつい、
こんのすけさんを撫でながら、｢よきかな｣と隣で微笑む三日月様を見た。
｢…三日月様も、ありがとうございます｣
あたしがそう言うと、す、と横から大きな手が伸びて、あたしの手をとった。
三日月様が、あたしの手を導いて、あたしへ、すこし屈み込んだ彼の額に、それを当てていた。
指先に、彼の細くて艶めいた黒髪が触れた。
時が止まったように行われるそれに、目を奪われて見入ってしまった。
名前を呼ぶことも出来ないぐらい、流れるように三日月様がその瞳を閉じる。
何かに祈るみたいに。あたしの手に、願いを込めるように。
まるで、神様と人との間の、儀式のように見えて、息を止めた。
三日月様の、こめかみに下がった金色の飾りが揺れた。
｢感謝している｣
あたしの手は、汗でべたべたで、長い間同じ姿勢を続けてたせいで、指もみんな、強張ってさえいたのに、そんなの気にしない風に、三日月様が優しくあたしの手に瞼を閉じていた。
彼の大きな手から、思いが伝わってくるみたいだった。
｢、…あれ、三日月様、｣
手と、お腹に感じる確かな体温に胸がぎゅっとなっていたとき、ふとあることに気づいた。
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鳥(プロフ) - 読者様 一つ一つにお返し出来ずすみません！コメントありがとうございます！(三)についてですが、推敲が終わったところから随時公開しております！またお時間空いたり思い出して頂けた時に読んでもらえたら嬉しいです。遅筆ですが楽しんで書いております (7月7日 10時) (
レス) id: 4bf57b87a0 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - 初めまして！一気に見させていただきました。とても面白いです！そして続きが気になります。パスワードおしえていただけないでしょうか？ (6月18日 13時) (レス) @page50 id: 673a00a1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ＠前垢消えた(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！！！ (2023年4月28日 13時) (レス) @page50 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
テオ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ここまで読ませていただき本当に面白いと感じました。表現の仕方がとても好きでストーリーも最高です。推敲が終わるのをとても楽しみにしています。無理のない程度で頑張ってください💪 (2023年4月27日 14時) (レス) id: 85b09c3093 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 始めまして！クロです凄く面白くて続きが気になるのでパスワード教えてくださいm(._.)m (2023年3月30日 1時) (レス) @page50 id: 16daf975b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年2月24日 20時
