こっからが本番の全国 ページ6
「湘北ーーーーーー」
「「「ファイ、おおし!!!」」」
「「「お疲れさんでしたっ!!」」」
湘北の練習は、真夏だというのにかなり薄暗くなる時間まで行われた。
「あーっ、疲れた!!」
「水ーっ!!」
桜木と三井先輩、宮城先輩は三人同時に水道まで水を求めに行く。
「ふーっ…」
俺は息をついてから、スポドリを飲んで、またボールを手にする。
そして、走りながらの壁パスをやり始めた。
やがて、水を飲んだり顔を洗ったりしていた部員のみんなが戻ってきて、
「A、すげーな!?まだやんのか!?」
「こんなキツい練習のあとに…」
と、言い始める。
「あー…まぁ…こっからが本番の全国ですから。全国に名を轟かせるくらいになるには、俺はもっと練習しないと…;」
苦笑いを浮かべた俺に、
「…今日のお前と流川、一体どうしたんだ?」
と、宮城先輩が聞いてくる。
「いつもより更に良いプレイもたくさん出てたし、何より気迫が違ったぜ」
続けて三井先輩も言う。
俺が楓の方をチラッと見ると、楓も、俺を見ていた。
なんとなくその目線で楓の意思は分かったので、
「そーですか?まぁ、全国に行くんならこのくらいはしないと」
と、答える。
宮城先輩や三井先輩は、まだ何か言いたげだったが、楓が
「先輩…」
と、三井先輩を呼ぶ。
「お?どうした流川?」
三井先輩は楓の方を振り向き、向かい合った。
「1on1の…相手してほしいんすけど」
三井先輩は、一瞬驚いてから
「お前とか…おもしろそーだ」
と、すぐに答えた。
「来い」
体育館にいる全員の視線が集まった場で、楓がドリブルをつき始めた。
結果、なんやかんやで桜木が乱入したり、三井先輩が不意打ちのスリーを決めたりで、勝負ははっきりとした決着がつかなかった。
「なら、俺達もやろうぜA!」
それに宮城先輩は、便乗した。
「え!?俺が宮城先輩と!?自信ないんすけど…」
そう言った俺を、それでも宮城先輩は誘う。
その時、
「てめーはぜってー俺に勝てるって言えんのかよ」
急にその言葉が聞こえてきて、俺も宮城先輩も黙った。
それは桜木が発した言葉で、楓に向けた言葉らしい。
「ホレ今日はここまでだ!」
「上がれ上がれ!」
そう言い、三井先輩と宮城先輩は部員を追い出す。
まぁ、みんなが見てる前じゃ桜木のショックも大きいからってことだろう。
俺は、体育館が使えなくなってしまったので外を走ってくることにした。
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並木町(プロフ) - すごく面白かったです! (2022年12月12日 21時) (レス) @page15 id: 0c7d654824 (このIDを非表示/違反報告)
Marinta Galaxy(プロフ) - 白い雪兎さん» スラムダンク、今年映画化するそうです!! (2021年1月15日 15時) (レス) id: 59dbb8998a (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - にこぱさん» ありがとうございます! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - Rayさん» 遅れてすいませんでした!今日します! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
にこぱ - 楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年6月15日 5時) (レス) id: 7f3a127dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い雪兎 | 作成日時:2017年11月17日 22時