結果が楽しみ ページ5
ガアンッ
「う、うぉぉ…」
「すげぇ…!!」
練習での試合開始早々に、楓が2本目のダンクを決めた瞬間だった。
湘北体育館のバスケ部員は騒然とするが、楓は無表情でディフェンスに戻る。
「ナイッシュー!じゃ、俺もそろそろやってくな!」
「あぁ」
楓は短く返事をし、マークマンにつく。
パシッ
楓が、木暮先輩の目の前でスティールした。
そして、前を走っていた俺にパスを出す。
「速い!もうあんなとこまで!…違う、それより走り出しが速い!?」
彩子先輩が驚く中、ボールを受けとった俺は前に立ちはだかる赤木先輩の前で、間合いをつめる。
と、いってもゴール下で、俺に勝ち目はない。
そのままステップバックをし、フェイダウェイを打とうとする。
いや、打つふりをした。
赤木先輩は跳んだ。
やっぱすげー高さ…;;
と若干思いつつも、リングより高くボールを上げる。
「フェイダウェイ…いや、アリウープ!?」
背後から戻っているであろう木暮先輩の声が聞こえ、心の中では頷いた。
ガアンッ
楓は、見事にそのままアリウープを成功させる。
「うおぉっ!?」
「やべーぞ、流川とA!」
外からはそれを見ていた桜木軍団(?って名前だっけな?)が、ざわついた。
「フン!ちょっと調子いいだけじゃねーか!」
どうせすぐへバるぜ、と桜木は笑う。
楓は安定の無視;
「とゆーか今のは、こんなすぐへバる役立たずにパスを出さずに、この天才・桜木を待ってからパスを出す場面だろ、A!」
桜木が、いつものようにクレームをつけてきた。
「誰が天才だ、どあほう」
「コラルカワァ!!」
そして、楓の冷たい言葉に桜木が逆上するのも毎回お決まりのパターン。
「まぁ、今のは2対1だったし、相手が戻ってくる前に攻めるべきかな、と…もちろん、桜木が走ってたら、パス出したけどな。てことで、あと何回か速攻出させるつもりだから桜木、走ってろよ!晴子も来てるし」
最後の言葉は、結構小さく呟いた。
にも関わらず、
「鈍感なAでも花道の好きな人は分かるんだな!」
と、相手チームの宮城先輩が言った。
「俺、そんなに鈍感ですか!?」
ツッコミのように言ったあと、晴子と聞いて俄然気合いを入れた桜木を横目で見てからまぁいっかと思い直した。
「流川もAも、いつも通りのように見えるけど、今日はなんか違うぜ、あいつら…」
同じコートにいた角田先輩が呟いた。
「これは結果が楽しみですね」
安西先生は、眼鏡越しに目を細めた。
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並木町(プロフ) - すごく面白かったです! (2022年12月12日 21時) (レス) @page15 id: 0c7d654824 (このIDを非表示/違反報告)
Marinta Galaxy(プロフ) - 白い雪兎さん» スラムダンク、今年映画化するそうです!! (2021年1月15日 15時) (レス) id: 59dbb8998a (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - にこぱさん» ありがとうございます! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - Rayさん» 遅れてすいませんでした!今日します! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
にこぱ - 楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年6月15日 5時) (レス) id: 7f3a127dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い雪兎 | 作成日時:2017年11月17日 22時