【スラムダンク】流川と並ぶ一年生エース[男主]3 (ページ15)

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緊張感ページ15

「よーし、みんな揃ってるな！！」

赤木先輩の声が、朝のちどり荘前に響き渡る。

とうとう、IH1回戦の日の朝が来た。

大事な試合前の、この緊張感。
前日は、まだ当日ではないから、なんとか平静は保てるけど、試合当日の朝の緊張感は、比べ物にならない。

…だというのに、赤木先輩の冷静さ…
さすがだ。

「A、緊張してんのか」
「え！？」

楓…
「そーにしか見えない」

……

「うん、まぁ…やっぱり、高校の全国って、ずっと夢見てきたからな」

空を見上げる。
雲ひとつない快晴だ。

「俺、昔から緊張振り切るの苦手なんだけどさ。でも…ちゃんとやんなきゃな」

大丈夫、と笑みを浮かべると楓は何も言わなかった。

俺の性格上、
緊張に打ち勝つには、周りが何を言うより、自分自身でどうにかすること、それしか方法はない。
多分、それを分かってくれてる。

「さあ行こう！！」
「「「おお！！」」」

「湘北さんっ！！」

いや、タイミング！
内心つっこむ。

「でんわですよ、でんわっ」
「電話？誰だろ…？」

木暮さんが呟くと、

「アイダヒコイチさんて方」
「ああ、あのうるさい1年？」

三井先輩が言って、はい、と俺は頷く。

「FAXもきてますよ、こんなに」

「ちゃんと届きましたかFAX！？」
赤木先輩が代表として電話に出る。

「それ僕が大阪予選の決勝で見た限りのデータですけど！そこそこ信頼出来るデータやと思います！！少しでも役立てばと思いまして！！湘北に絶対に勝って欲しいですから！負けたら承知しませんで！！」

何やら、すごい殺気が伝わってくる。

「陵南は見に来ねーのか？この天才・桜木の全国デビューを！」
桜木が言うのに続け、

「来てくれたら喜んだのに」
と、俺も声をかける。

「あっ桜木さん！？Aくん！？」
しかし、彦一は間を開けて、

「いや…ウチは今、打倒・湘北に向けて猛練習中ですんで…」
と、言ってから、そこに皆さんいてはるんですか？と、聞いてくる。

「ああ、いるよ…」
赤木先輩が答える。

その瞬間。
「フレ～～フレ～～ショ・オ・ホ・ク！！！！！」

うっ…うるさっ！！

「ありがとう彦一、絶対に勝つよ！！」
「あっ木暮さん！？」

俺たち3人で悶絶してる内に、木暮さんが電話を取る。

「「バカヤローッ、コマク破れたらどーすんだ！！」
怒鳴る赤木先輩と桜木。
しかし、電話は切れた。

はー…なんなんだ彦一…

「ほっほっ、それじゃあいきますか」
「「「おおっ！！」」

「がんばりんさいよーっ！」
ちどり荘の人たちが見送ってくれる。

こうして、バスは着々と会場へと近づいていった。