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雅紀side
雅「ここどこだ…？」
来た道を戻ったはずなのに、どっかで道を間違えたのか、
全然知らない場所に来ちゃった。
俺、迷子ってことだよね…？
どうしよ…携帯なんかないし。
雅「お腹空いた…」
人に聞きたくても人見知りの俺には無理。
知らない大人なんてもってのほか。
こんなことになるなら意地張るんじゃなかった…。
雅「ふぇ…泣」
ちょっとベンチで休んでこ。
雅「誰でもいいから来てよ…泣、たかでもいいから…」
やだよ…このまま1人だなんて…泣。
「ワン！」
雅「…ｸﾞｽｯ、犬？」
「ワン！ワン！」
この犬、首輪してるじゃん。誰かの飼い犬だよね？
雅「お前も迷子か？」
「クゥーン」
雅「可愛いなぁ、俺も迷子なんだよ」
何分ぐらいかな？
しばらく犬の相手してたら(俺が一方的に話してただけ)
風「ゴン太？やっぱりゴン太だ！
よかった、見つかって」
「ワン！ワン！」
この犬、風間の犬か…。
俺風間苦手だし、さっさと帰ろ。
風「ちょっと待ってよ」
雅「何？」
風「相変わらず冷たいなぁ。
中間、ゴン太見つけてくれてありがと」
なんだ、ちゃんとお礼言えるんじゃん。
ただただ悪い人って思ってたのに。
雅「別に…たまたま座ってたらいたから」
風「助かったよ、コイツ足早いから。
中間は何でここに？家、ここらじゃないよね」
雅「…クラブの帰り」
風「もしかして迷子とか？笑」
今、クラブの帰りって言ったじゃん！
何で分かるの！
風「図星だね笑、お礼に送ってくよ。
登下校の道通ったら分かるところまでくると思う」
雅「え？あ、うん…ありが…と」
風間と話すのは１年生の時以来。
クラス違うから話すことも会うこともないし。
雅「家、あそこだからもう大丈夫」
いつの間にか家のすぐ近くまで来てた。
申し訳ない、ここまで来てもらって。
風「あ、そう？
中間の父さん、心配して外まで出てるじゃん」
雅「あぁ…うん、ありがとね」
風「いいって、ゴン太のお礼だから。
じゃあな」
雅「バイバイ」
風間っていいやつだなぁ。
雅「…ともくん」
智「……っ！！雅紀くん…！！」
雅「わっ…ちょっと苦しいって」
外で抱きつかれるの恥ずかしいんだけど。
智「ごめん…ほんまごめん！！泣、俺が悪かった…泣。
中々帰って来んから…事故とかに巻き込まれたんや
ないかって…泣」
雅「迷子になっただけだから…。
でも、俺も怖かった…ごめんなさい…泣」
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作者名：KK | 作成日時：2022年8月21日 21時
