最後の雨

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今から飯行かね?



夜ご飯にしては遅すぎる時間にメッセージを寄越したのは



Aすっぴんだから無理


ひゅうがすっぴんとか今更で無理。もう家の前いる



ヤンキーみたいな大男。
拒否権はもともとなかったみたいで、無理矢理呼び出される。



ひゅ「全然すっぴんじゃねえじゃん笑」


「私明日仕事だったらどうするの。」


ひゅ「仕事なの？」


「休みだけど。」


ひゅ「じゃあいいじゃねえか笑」



太陽みたいに明るい彼は、なんだか憎めなくて
見た目こそ大きく変わったものの、中身は何にも変わらない。

誰にだって平等に優しくて、
明るくて面白い彼に何度も励まされてきた。


ゆっくりと発進した車。

心地いい音楽と、ひゅうががいつも吸ってるセブンスターの香り。
煙草の匂いは嫌いじゃない。


運転しながら煙草を蒸かすひゅうが。
彼ほど紙煙草が似合う男を、私は知らない。

絵になるなあ、なんてしばらく眺めていると



ひゅ「そんな見ても何も出ねえぞ、笑」


「え、そうなの、じゃあ見るのやめる。」



ひゅうがの前では気張らなくていいから好き。
一番最初に仲良くなったのも彼だった。


赤信号で止まったとき、さっきまでと何ら変わりないトーンで



ひゅ「ゆうたと別れたって？」



と聞かれる。


…さすがコムドット、仲間内の情報回るの早いなあ。

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