最後の雨

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増えに増えた服たちが、実家の自室に収まりきらなくなって
一人暮らしを始めることになってAと一緒に家具を選びに来た。



「ゆうたくん自炊するの？笑」



調理器具の入ったカートを覗いてAが笑う。



ゆた「分かんねえけど
　 Aが来たとき作ってくれるかなって期待を込めて、笑」


「え、私任せ？笑」



高校を卒業してすぐ一人暮らしを始めたAは、毎日ちゃんと自炊してて
俺やメンバーが遊びに行ったときは必ず飯を準備してくれる。


彼女の作る料理が好きすぎて
本当はメンバーにあげないで独り占めしたいくらいだし、
毎日食べたいと思う。

そんなこと言ったらプロポーズみたいになるから
今は恥ずかしくて言えないけど。



二人でカートを押しながら、ああでもないこうでもない言って
家具を選ぶのは楽しくて、

彼女にとっても過ごしやすい部屋にしたいなと思う。



ゆた「いつか、一緒に住もうな。」



どこに置くんだってくらい大きなクマのぬいぐるみを
触っている彼女にそう言うと



「…そうだねえ。」



と少し笑った。

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