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錦戸課長の手から、
クッキーを取り返そうとして。
そしたら。
立ち上がって、
ひょいって、
手の届かないところにあげるの。
「なんでやねん。
一回くれたもんは俺のもんや。
勿体無いから、
しばらく取っとく」
だって。
やっぱり、ちょっと可愛いかも。
お風呂に入ってから、
部屋着に着替えて。
二人でベッドに入る。
ドキドキして、心臓パンク寸前だ。
あの後からずっと、
キスはしてくれない。
私・・・
キスして欲しいなんて、
考えてた。
「ん?どした?」
課長が、優しく聞いてくる。
やだ。
どうしよう。
錦戸課長にばれちゃうかも。
課長はなんでもお見通しな気がするから。
「なっ、なんでもありませんっ」
ついムキになって返事して。
後ろ向く。
顔見てるから、いけないんだって思ったの。
そしたら。
「なんでそっち向くん?
寂しいやんか」
私の身体、器用に自分の方に向けた。
錦戸課長が堅物でクソ真面目で。
まさか、女を知らないかもなんて噂。
あんなの、ぜーったいに嘘。
恥ずかしいのに。
あの綺麗な目でじいっと見てくる。
メガネしてないから。
よく見えてない?
どうなんだろう。
もし見えてないなら、
ちょっと気持ち、落ち着くんだけどな。
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如月梦【ゆめ】(プロフ) - 面白いです!続きお願いします! (2017年7月16日 17時) (レス) id: 077df6fe8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年7月16日 10時