課長がお呼びです。 (ページ37)

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錦戸課長が、

ぶつぶつ言ってる隙に、
下着売り場に移動して。

下着をサイズだけ見て適当に買って、
カゴの中の洋服の下にしのびこませる。

これでよし。

と、思ったのに。

「勝手にどっか行くな。
心配するやろ」

やっぱり、怒られた。

「はぐれたらどうするねん」

怖い。

こんなの会社では毎度のことで、
慣れてるはずなのに。

課長、今朝からずっと優しかったから・・・

「ごめんなさい・・・」

「ちゃんと言い？
なんで勝手なことしたんか」

子供が叱られてるみたい。

錦戸課長から見たら、
８歳も下の私なんて。

子供みたいなもんだろうな・・・

「下着、買いたかったけど、
課長に見られたら恥ずかしくて。
ごめんなさい・・・」

正直に言ったら。

錦戸課長が真っ赤になったから。

びっくり。

なんで？

「・・・そっか」

俯いてる私の手から、
カゴを取って。

先にレジに歩いてくから、
慌てて追いかけた。

水族館で、手をつないでくれて嬉しかったな・・・

それに昨日は・・・

オフィスで、キスもしてくれた。

嬉しくて、
ちょっとおかしくなっちゃってた。

好きな人だったら、
こんなに嬉しいんだ。

何にも怖くなかった。

ううん。

本当はちょっと怖かった。

でも、嬉しいのが勝ってたんだ。