課長がお呼びです。

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・・・無理や。


なんでやねん。


女なんて、適当な相手と適当に遊んで。

飽きたら別れる。


会社では堅物の真面目な顔して、
夜の顔なんか、
微塵も見せずに。


そうやって、生きてきた。



会社のコやから？

けどこいつは。


ただのビッチや。

いつも遊んでる女らとなんも変わらん。

変わらん筈やのに・・・


本気にさせて、
ズタボロにするんなら、
焦ったらあかん。


AAがどう出てくるかもまだ分かれへんし。



けど、カラダ張って、
俺みたいなおっさんからかって、
何のメリットがあるねん。

じっと綺麗な寝顔見てるうちに。

吸い込まれるように、
キスしてた。


ヤバい。

半分、本気になりかけてる。


いや、本気って何？


本気で誰か好きになったなんか、
大学時代ぐらいまで遡らな、ないやろ。

もうとっくに失くしてもうた感情や。



自問自答してるとこに電話が鳴った。

俺のやなくて、こいつの。


男から？


気になってしゃあなくて。


勝手にカバン中から出したら、
相手は伊藤莉菜。


なんかまた悪巧みか？

「もしもし」


つい電話に出てもうた。


「えっ・・・課長？」


電話の向こうで、伊藤莉菜が絶句してる。


なんでそんな驚いてんねん。

想定内ちゃうん？

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