課長がお呼びです。

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会社に戻ったら、
定時過ぎ。


バレンタインのせいか？

残業してる人は少ない。


ロッカー室にバッグを置きに戻ったら、
ちょうど、莉菜が着替えてた。

私服なのに、
デート用の洋服に着替えてるみたい。

今日も下着まで完璧。


自宅暮らしだから、
お給料は全部お小遣いだもん。

身につけるものは全部、
高そうなもの。


他に誰もいないの確かめてから。


「A、錦戸課長と約束取り付けた？」


ぐいって身を寄せて聞いてくる。


ブラしかつけてないおっきな胸。

女なのに、いつもドギマギしてしまう。


「・・・うん。
一応。
残業するから」


「そ。
誘惑して、
相手が本気になったとこで、」


莉菜、そこまで言って。

自分の首を手で切るふりをした。


背筋が凍りつきそう。


「途中経過、教えてよ。
また電話するから。
今日はキスまでね」


キスまで、って・・・


そんなこと、出来っこない。


「男なんて餌をチラつかせたら、
簡単だと思わない？」


「餌？」


「カラダ。
いくら女に興味ない錦戸課長でも、
２３のAに言い寄られて、
悪い気はしないでしょ。
錦戸課長があの鎧みたいなメガネ取るとこ、
見てみたくない？」


全く自信ないけど。


メガネ取った顔が見たいのには、
激しく同意。


前髪とメガネでよく見えないけど、
すっごく綺麗な目をしてる気がする。


「うん。
そうだね。
男なんて所詮、みんなおんなじ」

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