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大倉さん、そう言った後で。
「亮ちゃん、会社では怖いん?」
後ろにいる錦戸課長の様子を振り返りつつ、
聞いてくる。
「はい、あ、いえ。
私にだけ怖いというか・・・。
私、社内一、どんくさいけん、
しょうがないんです」
正直に申告。
大倉さん、
おっきな声で笑い出した。
「亮ちゃん、とろくさいことしてんの、
許されへんタイプやもんな。
ゆっくり歩いてたら、
ほってかれるから、
迷子にならんよう気をつけや」
確かにそう。
近くの駐車場からここに来るまでだけでも、
何度転びそうになったか。
「仕事、頑張ろな。
イベント成功させて、
亮ちゃんに褒めてもらい。
当日は俺も見に来るから。
よろしくお願いします」
大倉さんて、優しい。
錦戸課長も、
大倉さんの爪の垢でも煎じて飲めばいいのに。
館内を全部回って、
ホールのベンチのところに戻ったら、
錦戸課長が私をイライラしながら待ってた。
「こんな時間かかるって、
どんだけ歩くん、おっそいねん」
怖い怖い怖い。
錦戸課長は厳しいけど、
理不尽に怒ったり、
自分の機嫌に左右されるような人ではない。
入社以来、見てたきたから、
知ってる。
でもでもでも。
私にだけは、
どう考えても、
嫌いで八つ当たりしてるように見える。
私、何か、
記憶のないところで、
とんでもないミスやらかしたんだろうか。
あり得るから、
なんとも言えないんだよなあ。
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如月梦【ゆめ】(プロフ) - 面白いです!続きお願いします! (2017年7月16日 17時) (レス) id: 077df6fe8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年7月16日 10時