課長がお呼びです。 (ページ11)

今日:9 hit、昨日:41 hit、合計:1,059,292 hit

１１ページ11

でも明日は、土曜で休みだし。

何とかなりそう。

錦戸課長をどう呼び出そうか、

メモに書いて渡そうとか。

いろいろ悩む。

ていうか、本当に渡すの？

チョコ、割られそうな勢いで、
嫌われてるんだけど。

時々もう泣きそうだもん。

朝、ロッカー室で莉菜が、

「Aが決行するのは、今日だからね。
私は明日。
今日は彼氏と約束あるから」

念押ししてきて。

その迫力に後ずさりしたい気分。

「私、錦戸課長に嫌われてると思う」

正直に言ったのに。

「そんなことないよ。
Aが若い今時女子だからさ。
びびってんだよ。
なんせ、お堅い人だから」

そうなのかなあ。

錦戸課長の眼鏡の奥の目が、
たれ目なのに鋭いんだもん。

私に対して限定で。

怖いよ・・・

「A、裏切りなしだからね？
友達だよね？私たち」

だけど、莉菜の冷たい笑顔の方が、
錦戸課長より何倍も怖い。

「うん。
渡してみる」

「簡単にさせたらダメだよ。
土壇場で逃げ出しちゃえば？
イケメンがパンツ一丁でホテルに取り残されるとか。笑える」

莉菜が笑う。

怖い怖い怖い。

背筋が凍りつきそう。

ホテルなんか誘えるわけないのに。

きっと、チョコを渡すだけで精一杯だ。

錦戸課長に恨みでもあるの？

それともイケメン全般に？

どう誘おうか、
悩んだだけ、損した。

午後一にコピーを持って行ったら。

錦戸課長みずから。