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昼過ぎ、店の電話に出ると菊池さんからだった。

今日の夕方店に来たいと言われる。

ちょうど部屋も空いていたので予約を受けることになったのだ。




表通りを歩く人の影が長く伸び始めた頃、
菊池さんは相変わらずひとりでやってきた。


「いらっしゃいませ」と挨拶をする。

「つかれーす。2週間ぶりぐらい?」と軽い調子で片手をあげて言う。




今日はパーカーのフードを被り薄い色付きのサングラスをしていた。

これって変装できてないような気がするけど、大丈夫なのかな、などと要らぬ心配をしてしまう。



「そうですね、毎日お忙しいでしょう?」と個室に案内しながら話す。





2人で部屋に入ると彼は、なるほど、と言った。

「どうかされました?」

「いや、ここで採寸とかするんだなって」

と興味深そうにスーツの見本や、たくさん並んだいろんな種類の反物を眺めて小部屋を歩いている。


「俺ライブの演出考えたりするんだけどそのとき衣装とかもたくさん見るからさ。
こういうの見るとやっぱもの作る人ってすげーなーって思うわ。」


と真摯に話す。



「あ、ごめん。始めよっか。
採寸しないとだよな」

そう言い私の隣に戻ってくる。



「菊池さんもいちからステージ作ってるっていう意味ではものづくりじゃないですか?
想像と感性が具現化するってすごいですよね」

とずっと思っていたことを伝えると


「え、なんか、ありがとうございます」

と嬉しそうに笑った。





少し雑談をしたからか、採寸はスムーズに行えそうでほっとする。





メジャーを肩先の始点に当てると、服越しでも鍛えているのがわかった。


許せないと言いながらあの美貌だもんなと思い出して笑いそうになる。


澄ました顔で正面に周り、両膝をつく。


ウエストに腕を回すとほんのりとバニラの甘い香りがした。

可愛い香りなのに男性から香ると、なんとも言えない色香を感じる。

鼓動が速くなる前にさっと離れ、胸囲まで流れるように測り終えた。

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設定タグ:SexyZone , 中島健人 , 菊池風磨   
作品ジャンル:恋愛
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にこ(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。更新のペースはゆっくりになるかと思いますが頑張ります!引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです♡ (2021年9月24日 14時) (レス) id: c73915c859 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - ドキドキしながら読ませていただきました♡ これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしています! (2021年9月23日 18時) (レス) id: fe924e0240 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月18日 9時

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