43 ページ43
膝を突き合わせるようにお互いが斜めに腰掛けている。
「あの…すみません、私…思わず見てしまって…」
視線を床に落としたまま、何か言わなければならない気がして小さく言う。
「ううん。見るってことは俺に少しでも興味持ってくれてるってことでしょ？」
穏やかな声が降ってくる。
「いや、そういうわけでは…」
ない、とも断言できないが、そうなんです、とも認められず言い淀む。
「中村サン。こっち、見て？」
畳みかけるように言ってくる。
いつのまにか私の手は彼の両手に包まれていた。
手を握られたまま、親指で手の甲をするすると撫でられる。
びくっとして思わず顔を上げると、切ないような、なんとも言えない表情をした中島さんと目が合った。
「中村サンとゆっくり話したいと思ってるんだ。
俺の誘いに乗ってくれない？」
耐えきれず視線を外し
「この前言った通りです。
お茶なんてでき「菊池の誘いには乗ったのに？」
言い終わらないうちに責められた。
ぎょっとして顔を上げる。
知られていたのだ。
見られたのか、誰らからか聞いたのか。
菊池さんが話したのだろうか。
いずれにせよ私の断る口実が説得力を失ってしまっていることは分かった。
「おかしいじゃないですか。
どうして私に構うんですか？」
ずっと思っていた疑問が思わず口をついて出た。
「どうしておかしい？
話したいと思ったから誘ってるんだよ。
ファンじゃないって言う中村サンの言葉をまるっきり信じたわけじゃないけど、もし本当に俺のこと知らないなら知ってほしいって思ってる。
気になるんだ、中村サンのこと。」
柔らかいけれどはっきりとした口調で言われる。
「待って下さい。
おかしいに決まってます！
中島さんはアイドルでたくさんの人からかっこいいって言われて、綺麗な女性をたくさん見てきているはずです。
なのにただの一般人に興味を示すなんてありえません。」
ここは譲れないとばかりにきっぱりと断言する。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にこ(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。更新のペースはゆっくりになるかと思いますが頑張ります！引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです♡ (2021年9月24日 14時) (
レス) id: c73915c859 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - ドキドキしながら読ませていただきました♡ これからの展開が楽しみです！更新楽しみにしています！ (2021年9月23日 18時) (レス) id: fe924e0240 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にこ
| 作成日時：2021年9月18日 9時
