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菊池風磨side
本当にスーツは作るつもりだった。
ただ今日明日にでもという話ではなかっただけで。
中島が楽屋に呼んだ担当者は控えめだけれど笑顔の優しい子だった。
中島からテーラーを楽屋に呼ぶと聞いたときは、てっきり男が来るもんだと思っていたから俺らと同い年ぐらいの女の人が来て少し驚いた。
俺らに臆する事なく挨拶をしっかりする様子からはあまりミーハーな感じがしなかった。
芸能人慣れしてるのかと思い、中島を接客している様子をぼんやりと眺めていたら、落ち着いた柔らかい笑顔で鏡越しに会話している。
あとから中島に話を聞いてみたら、先日の採寸の時は、中島を意識しているのがモロバレなほど緊張していたらしい。
ファンだろ?と聞きたくなるほどに。
今日の落ち着いた彼女からは想像できなかった。
中島だけが見た彼女のそんな一面を俺も見てみたくなった。
その日中島がかなりカマをかけたらしいが、ファンだとは認めなかったらしい。
中島はファンだと言うが、彼女は違うと言う。
中島自身がえらく興味を持っていることも相まって、
俺も気づけば仕事の空き時間に、店の前に来てしまっていた。
まぁもともとスーツはオーダーしようと思ってたし。
などと言い訳を自分に言い聞かせドアをくぐった。
アポなしでしかも自分1人で来店したもんだから、彼女はかなり驚いていた。
しかも部屋が空いていないと言う。
幸か不幸か俺は彼女を半ば強引ではあるがカフェに誘うことに成功した。
先日中島が彼女をお茶に誘っていたことは知っていたし、2人の隣から、ダメだぞだなんて言っていた手前、かなりバツが悪い気もしたが、別に俺は下心あるわけじゃないしなと本日ふたつ目の言い訳をする。
中島がどういうつもりで、果たして下心があるのかなんてわからないけれど。
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にこ(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。更新のペースはゆっくりになるかと思いますが頑張ります!引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです♡ (2021年9月24日 14時) (レス) id: c73915c859 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - ドキドキしながら読ませていただきました♡ これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしています! (2021年9月23日 18時) (レス) id: fe924e0240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月18日 9時