交錯する線【Kento】

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圧巻壮観。




他のメンバーと目が合う。


急いで自己紹介をした。


「中村と申します。
今回中島さんのスーツの仕立てを担当しておりまして、本日はその件でお邪魔します」





メンバーがぱらぱらと椅子から立ち上がりこっちにやってくる。



年下2人がキラキラした目で尋ねてくる。

「聡です。けんてぃースーツ作ってるんだね！どんなやつ？色は？いつごろできるんですか？」

「えー、いいなー僕もスーツ作りたい。今日はどんなことするんですか？」



聡マリめっちゃ聞いてくるやん。


「えっと…」




私が気圧されらていると

「ほらお前ら質問責めにすんな、困ってるだろ。
すみませんね〜菊池です。
よろしくお願いします。」

「あ、いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。」

「自分もスーツオーダーしたいとずっと思ってるんすけどね〜
中島がオーダーするって聞いて勝利ともいいねなんて話してて、な？」


菊池さんが振り返った先には佐藤勝利さんがいて、こちらにペコリと会釈した。

私も会釈しお邪魔します、と一言だけ挨拶をする。



顔面国宝は実物で見るとさらに国宝級の美しさだった。



そんなことをしているうちに真横に中島健人が立っていた。
それに気づき思わず反対側にのけぞった。


「今から補正すんでしょ？中村サン、行こう」




部屋の角にある姿見の前まで背に手を添えられて連れてこられる。

憎いほどスマートなエスコートだ。



ひときわ菊池さんの視線を感じた気がしたが、頭を仕事に切り替えて、仮縫いのチェックを行うことにした。

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