交錯する線【Kento】

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部屋へ入ってしまうと中島健人と2人っきりなのを意識せずにはいられない。


いつも使う慣れた部屋なのに、急に狭く圧迫感のある空間に思えて息苦しい。緊張している。


何か喋らなければ耐えられなくなった私は

「えーっと今日は早速採寸していきたいのですが、いいですか？」

と切り出した。



「はい、大丈夫です。そのつもりでした。」



そう言いながら彼は両手を大きく広げている。



いつでも採寸どうぞということだろうか。

その様子を見て私はふと冷静になった。




採寸！！
採寸？！？！
めっちゃ近くない？！

ウエスト測ったり、肩幅測ったり。
まぁ昨日も肩には触れたけども…




……仕事だ。これは仕事なんだ。







私は意を決して彼に近づくと、

「ではこちらの姿見の前に立って頂いていいですか？まず後ろから測っていきますね」

と言い彼の後ろに回り込む。

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