＊ 期 待 し た の に ＊ ページ44
西川 side
7「お邪魔しまーす」
9「どーぞー」
卓さんと鍵さんとAの３人でルームシェアしているという部屋にお邪魔すると、リビングらしきところで鍵さんが、お帰りー。とソファーに座りながらこっちを見てお出迎え。
7「あれ？Aいないんですか？」
9「Aちゃんなら今、東京」
7「東京？」
30「そ、救急救命士学会の傍聴に行くんだってさ」
7「ええー…」
9「あからさまにガッカリすんな」
Aのご飯食べられると思って期待してたんですけど。と言うと、昨日、今日の夜は適当に済ますって言ったから、何にも無い。と卓さんにバッサリ切られる。
30「A、朝ご飯と俺らの弁当作るのと一緒に、色々作り置きしていったみたいだけど」
冷凍庫見てみれば？という鍵さんの言葉を聞いて、卓さんが冷凍庫に向かう。めっちゃストック入ってる！と感激した卓さんの声。
30「料理しない卓のことを思っての作り置きでしょ」
7「いや、鍵さんの分もあるっぽいです」
9「魚あるもん」
いい加減、卓さん、魚克服したらどうすか？と言うと即答で無理と返ってくる。A、鯵、めっちゃ好きですよ？と言うと、Aちゃんが作ってくれた、あじの南蛮漬けは食べられたけん。Aちゃんが作ってくれた魚料理なら大丈夫や。とドヤ顔。
7「鍵さん……」
30「うん。今年の卓は去年までのヘタレじゃなくなったみたい」
7「その魚が苦手な卓さんが食べられた、南蛮漬けも冷凍してありますよ」
9「え？」
やからって食べるとは言ってない！とカバンから昼に食べていた弁当箱を出して流しで洗い始める卓さん。なら俺が食べても良いですか？と聞くと、それはダメ。と言う。なんなんだ、この人。
30「このまま冷凍庫にあったら、いつかの弁当のおかずになるんだから、魚が嫌なら食べてもらったら？」
9「それとこれとは話が別」
7「何この人。面倒くさい」
9「鍵谷、何食べたん？」
俺？適当に作って食ったけど。と顔をテレビに戻しながら答える。鍵さんはそうだよな。自炊できる人やもん。何でこの人は自炊できひんのに、適当に済ますって答えたんやろ？
9「俺、自分で作るわ」
30「は？玉ねぎの皮も剥けない人が？」
9「剥けるわ！何なら遥輝の分も…」
7「鍵さん、作ってください」
30「面白そうだから、やらせてみよーよ」
7「腹、下さんか心配や」
9「おい、バカにすんな」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 281人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：歌子(かこ) | 作者ホームページ：https://bit.ly/35Iex9O
作成日時：2018年9月24日 20時
