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* 過 保 護 * ページ42

You side


30「大丈夫?ねえ、本当に大丈夫?」


9「鍵谷心配しすぎやって」


『1泊ですよ?大丈夫ですってば』




私ももう大人なんですから、と言うと、転んだだけで骨折したんだからね?心配だよ!と陽平さんの嘆きが聞こえるけれども、御構い無しにキャリーケースに荷物を詰めていく。




『明日の夜ごはん、どうしますか?』


9「適当に済ますから大丈夫やけん、しっかり勉強しておいで?」


『ありがとうございます!』


30「空港までは見送りに行くからね!明後日も迎えに行くからね!」


『いや、ええですから。札駅から新千歳空港まで、バス出てますもん』


30「また骨折するかもしれないじゃん!」


9「シスコン全開やん。ドン引き」


『大丈夫ですから。ちゃんとトレーニングしてきてくださいね』





明日、午後から1当番、前の職場の好意で救急車に同乗実習。明後日は非番で救急救命士学会の傍聴。15時くらいの飛行機に乗ってこっちに帰ってくる。という、お勉強の旅で東京に行くのだけれど、いつになく過保護な陽平さんが心配そうに荷造りを見守ってくれる。




30「まだリハビリ中なんだから、無理しちゃダメだよ?」


『はーい』


30「ヤバイと思ったら、ちゃんと言うこと」


『はーい』


30「成田空港着いたら連絡すること」


『はーい』


9「鍵谷?もうその辺にしておけって」


30「だって、本当に心配」


9「Aちゃん、お風呂入ってきな?」


『はーい』


30「A!まだ話し終わってない!」




ちょっと!A!と言う陽平さんの言葉を無視して、バスタオルと着替えを持って脱衣所に向かう。そりゃあ、まだリハビリ中だけれどさ、過保護すぎやしないか?とノロノロと服を脱いで洗濯かごに入れるて、お風呂に入る。




陽平さんってあんなに過保護やったかな?と思いながら湯船に浸かる。あ!そうだ。教え子の3年生が引退する時にもらった入浴剤使おう。と思って一度脱衣所に上がると、洗濯機を操作している陽平さん。




30「………」


『………』




ばっちり目が合う。しかも陽平さんの目線は嫌でも私の身体に移ったのがわかってしまい、入浴剤は諦めて、何事も無かったように浴室に戻る。……けど




『うそやん……見られ、た?』


30「A、ごめん!そんなつもりじゃ」


『いや、気にしないでください!私が突然上がったのが悪かったんですから!』




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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O  
作成日時:2018年9月24日 20時

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