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* 大 人 な 子 ど も * ページ33

高梨 side


30「うん、ん?俺宛の郵便物?帰ったら確認するから、リビング置いておいて。うん。そう。え?こっち?そりゃ、札幌よりはね。うん。ちゃんと温かくしてね?はい、はーい。おやすみ」




投手組での自主トレ5日目。だいぶ肩も慣れてきていい感じにトレーニングできてるなあ。と思ったお風呂上がり。旅館のロビーで誰かと電話している鍵さんを発見。




会話の内容から、彼女かな?って予想しながら、電話を切ったのを見計らって、彼女ですか?と言うと。ううん、Aと返事が返ってくる。あ、そっか。あの子、骨折して鍵さんの保護を受けてるんだっけ。




39「Aちゃんの骨折の感じってどんなんですか?」


30「もうね、松葉杖も取れて、普通に歩けてる」


39「手術したんすよね?」


30「うん。すぐに手術したのが良かったみたい」




今、リハビリ頑張ってる。リハビリ担当の先生から家でもできる筋トレ教えてもらったみたい。と現在の状況を教えてもらう。それにしても詳しい。




39「Aちゃんって、まだ鍵さんの家にいるんですか?」


30「うちにいるっていうか……あ、ごめん。また電話だわ。先に部屋行ってて?」




はい?何?そんなの自分で聞いたらいいでしょ。と、今度は男友達からかかってきたっぽい電話に出る。ごめんね。のジェスチャーを俺にして少し距離を取る鍵さん。




まあ、さっきの質問は後で部屋でしたら良いか。と思って部屋に向かって歩いていると、後ろから梨さん!とパタパタと瑞輝が追いかけてくる。




34「今日もお疲れ様でした」


39「お疲れ様ー」




どう?慣れた?と言うと、はい!と元気な返事。いいね、若いね。と自分が今の瑞輝と同じくらいの歳の時はまだ大学生で。もちろん野球はやってたけど、学生ってのが本業だったから、ここまでのプレッシャーは無かった。




39「瑞輝はエライね」


34「え?何でですか?」


39「俺、瑞輝と同じくらいの年の時はまだ大学生だったもん。プロになれたらいいなあ。ってくらいのモチベーションだったから」


34「でも今、プロじゃないですか。もし、梨さんが高校生でプロ志望届を出してたら今、同じチームでプレーできてなかったじゃないですか」




これも運命ですよ。と言う瑞輝が年下なのにすごく大人に見えた。生意気だぞ!と言って脇腹を突くと、くすぐったいですから!ときゃっきゃするところは、やっぱり子ども。




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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O  
作成日時:2018年9月24日 20時

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