それはまるで魔法のように【７】 (ページ4)

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＊ミートソース＊ページ4

清宮 side

『ただの風邪で良かったね』

21「ありがとうございます」

日曜日、Aさんに連れられて、鎌ヶ谷の病院に行くと、ああ、ただの風邪だね。と診断され、薬も処方されて。Aさんの運転する球団の車で帰っている。

『幸太郎ちゃん、実家どこやっけ？』

21「東京です」

『入団してから実家に帰った？』

21「いや、全然帰ってないです」

今年はちゃんと帰るんやで？今シーズン、たくさん頑張ったんやから、実家でうんと甘えておいで？と言われる。はい、と答えるけど、帰りたいけど帰りたくない。

『私もさ、球団職員になる前は消防士として働いてたんやけどさ』

21「ええ！？消防士！？」

『そうそう、就職したての時って、毎日が必死やない？毎日が必死やからこそ、甘える事も必要やねん』

実家に帰って甘えるのが恥ずかしかったら、私が幸太郎ちゃんをうんと甘やかしたるから。１人で頑張るのも大切やけど、たまには思いっきりバカしたり甘えたりするんやで？と。

21「お母さんに甘えるの恥ずかしいっす」

『そりゃ、そうやね。この前まで反抗期やったんやもん』

ちゃーんと別の場所で息抜きせんと、また具合悪くすんで？と言われ、はーい。と言うと、わかってんのかなぁ？と笑われる。

『明日からまた練習やろ？今日はゆっくり休むんやで』

21「はーい」

『今日の夕飯何がええかな』

21「パスタが食べたいです」

何パスタ？と言われたからミートソース。って答えると、幸太郎ちゃん。自分が病み上がりなのわかってる？と呆れたように言われる。

21「でもミートソースならたくさん食べられますもん」

『突然わがままになったな』

21「Aさん、さっき甘えてええよ。って」

『それ言う？あーもう、しゃーないな。今日はミートソースにしたるから。明日から元気に頑張るんやで？』

21「やった！」

もう少し着くまでに時間かかるから、寝ときや？と言われ、後部座席で横になって、おやすみなさい。と言う。

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45「今日の夕飯、ミートソース？」

『幸太郎ちゃんのリクエスト』

61「病み上がりなのによく、食えんな」

21「パスタ好きなんで」

『野菜も食べなさい！あ、こら！スープも！』

21「はーい…」

63「このスープ、美味しいです！」

『竜も、たくさん食べて大きくなるんやで？』

60「お母さん…」

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