それはまるで魔法のように【３】 (ページ42)

今日:21 hit、昨日:33 hit、合計:215,271 hit

＊カースト上位者＊ページ42

中島 side

開脚して前に倒れる柔軟中、直ぐに負荷が無くなったな。と思うと、Aちゃんとは違う負荷のかけ方で拳士がやってきた。やっぱりAちゃん上手や。

2「卓、ここからAちゃんとチェンジになった」

9「りょーかい」

拳士、誰と組んでたん？と聞くと、大将。と即答。ああ、さっきだから一段と拳士の悲鳴が大きかったんや。お気の毒様やね。と思っていたら、先ほどの拳士よりも大きな悲鳴が聞こえる。

6「いったーーー！お前、マジふざけんなよ」

『ふざけてませーん。ちょー真剣ですー。』

話す余裕がまだまだあるみたいですね？と言うと、よいしょっ。と開脚して前に倒れる大将の背中に乗っかり、これ以上前に倒れないように手で押さえている大将の手を上から持ち上げる。

6「いったい！痛い痛い痛い！！」

『はい数えますよー』

俺、Aちゃんに負荷かけてもらわなくて良かったと心の底から思い、２０カウントが終わるのを待つ。すると１９、１９、１９といつまでも終わらない柔軟。

『宮西さーーん。見えてますよー。ラクしているのー。つま先ちゃんと外側に向けて、手でつっかえ棒しないでください。』

25「うわ、こわ。バレとる」

『亮？先輩怖いからやらないやなく、先輩ケガさせない為にも負荷かけぇやー？』

68「は…はい」

この瞬間にAちゃんがカーストの頂点になったと、多分誰もが思ったやろう。ファイターズのジャイアン２人を締めとるけん。恐ろしいちゃけん。

2「Aちゃん恐るべし」

7「ほんまそれです」

64「それより、早く……早く２０になってー！」

遥輝の下でファンがキュンキュンするような悲鳴をあげる雄也。俺ももう限界。

『１９、２０』

6「お前、鬼やな！！！」

『次行きますよ。早く足閉じてください』

6「自分で閉じるか……いってーよ！」

無理矢理足を閉じさせられている大将。２回も餌食になっているこんちゃんはサッと自ら足を閉じる。そんなに痛いんや。と思うと、例外なく俺も痛くて閉じられない。

2「卓、閉じられないの？」

9「は？閉じられるけん。触るな」

2「そんなこと言わず」

9「いって、いってーーなあ！」

64「遥輝？遥輝、やめ、やめてー！」

7「雄也、俺が犯してるみたいやん。やめーや」

64「痛い！痛い！」

自分たちが今までやっていた柔軟って何やったんだろうか。と考えさせられる初日の柔軟。

.