それはまるで魔法のように【３】 (ページ41)

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＊指導＊ページ41

中島 side

『靴履いていると、柔軟やりにくいので脱いでくださーい』

監督の意向で今年から準備運動に２０分の柔軟が追加され、本日が初日。２人１組になってくださたい。とAちゃんからの指示があり、２人１組に。遥輝に声をかければ、既に雄也と組みました。と断られ一人ぼっち。

『卓さん、１人ですか？』

9「そう」

『じゃあ私と一緒にやりましょ』

靴脱いでください。と言われる。Aちゃんは何でか知らんけど裸足になっている。靴下も？と聞けば、私は足の動きわかりやすくするために裸足です。みなさんは靴下で大丈夫ですよ。と。

『背番号の番号が若い方、先に座ってください』

9「俺は？」

『最初は柔軟のお手本をお見せするので、とりあえず今はお手伝いをお願いします』

それでは、座ってる方、長座体前屈しまーす。その時の柔軟のコツは、骨盤を立てる事と足の甲を出すようにつま先を伸ばす事です。と言うとお手本とばかりにこれです。と。

6「いや、骨盤立てるのはええけど、その足の甲は無理やで」

『翔さん気持ちです』

座ってない方、後ろから肩ではなく１、２、３の３で背中をグッと体重をかけて押してください。押される方は３で息を吐いてください。その後は息を止めずに２０秒キープです。とみんなに聞こえる通る声で言う。

『卓さんも例外なく、私の背中に体重をかけてくださいね。』

むしろ乗っかってくれると嬉しいです。と言われ戸惑う。やって俺よりもずっと小さいこの子ん背中に乗るわけやろ？潰してしまうけん。

『行きますよー、１、２、さーん』

一斉に前屈し始める光景を初めて目の当たりにして、少し異様やと思う。てか、みんな硬いやん。と周りを見ていたら、下から、卓さん！乗っかって、私の代わりに２０秒のカウント数えてください。と言われ、失礼します。と上に乗っかる。

9「Aちゃん、めっちゃ柔らかいやん」

64「Aちゃんすげー」

『早くカウントしてください』

デカイ声で２０までカウントが終わると、すぐさま次の柔軟。ひと通り終わったのが約１０分後。これから自分の番になると思うと恐怖でしかない。やってさっきの柔軟、色んなところで悲鳴が聞ことったもん。

『これで終わりです。交代してください』

7「卓さん、Aに押してもらうんすね」

9「おん」

ええですねえ。とニヤニヤされる。面倒な奴にバレとるなと心の中でため息をつく。

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