＊ や め ろ や ＊ ページ39
松本 side
空港に降りて、移動のバスにせっせと球団職員の方が荷物を積んでいるのを見て、あ、タイミング逃した。と思って少し遠くで自分の荷物が積めるのを待っていた。
『あれ？剛、バス乗らんの？』
12「ちょっとタイミング逃した」
ほんなら、私、トイレ行きたいから、これ持ってて。とバインダーを渡される。いや、俺も行きたいから。と言えば、ほんなら一緒に行こうや。と連れション。
近くの職員に、朝比奈と松本、トイレ行ってきます。と声をかけて空港内のトイレに向かう。
『陽平さんがな、��アリゾナ、キレイな観光スポットいっぱいだよ��って教えてくれてん』
12「どこか行く予定なの？」
『アッパーアンテロープキャニオン！』
12「どこそこ」
『さっき調べたから私もよくわからんのやけど、ナウシカのラストシーン？を彷彿させるんやって』
行ってみたいやん？と言われ、じゃあ一緒に行く？って言うと、やった！約束やで。と女性用トイレに消える。
用を足して、さっき別れたところで待っていると、ごめん、遅くなった。と駆け寄ってきて、また一緒にバス乗り場に戻る。
アッパーアンテロープキャニオンってどうやって行くんやろうな？と色々喋りながら信号待ちをしていると突然隣にいたAが女の子らしからぬ声を上げる。
『ゔぇい、やめろや！』
12「え！？」
急に大きい声出すから周りの人がビックリ。Aの隣にいた黒人のお兄さんに日本語で、……あ、知らん人や。ごめんなさい。急に触ってきたから友達かと思って。と謝るが、ここはアメリカ。日本語通じないでしょ。
12「どうしたの？」
『なんかいきなりお尻触られたから、つい』
12「誰に？」
『いやわからん』
でも減るもんやないし。と信号が変わって先に歩き出す。いや、ごめん。何から突っ込んでいいかわからないや。
12「大丈夫？」
『大丈夫ちゃうわ』
朝比奈と松本トイレから戻りました。とさっきの職員に声をかける。積み込みをしていた職員さんが、松本選手、お待たせしました。こちらでよろしいですか？と言われ、はい。と自分の荷物を任せてバスに乗り込む。
バスに乗り込むとさっきまで一緒にトイレに行っていたAが点呼を取っていて、剛で最後やな。卓さんの後ろ空いてんで。と教えてくれる。それにしても…
12「��ゔぇい、やめろや！��はダメでしょ」
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作者名：歌子(かこ) | 作者ホームページ：https://bit.ly/35Iex9O
作成日時：2018年8月10日 11時
