ナミダの海を越えて行け (ページ23)

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部屋を見渡していると、飾ってあったのは先生の家族写真

「仲…いいんすね」

「ん？あぁ、なかなか会えない距離にいるから、いちよう飾ってるんだ(笑)大の大人が、彼女とのツーショットじゃなくて、家族写真なんてキモいだろ(笑)」

「ﾌﾌｯ、、、キモいっす」

「はっきり言うなよ〜、さ、ラーメンもできました〜！そしてこれ！」

カップラーメンを運び、隣に座った阿部先生は俺の前髪をあげ、額に熱さまシートを貼り付けた。

「冷たっ………っ」

「熱のときは、貼ったほうがいいんだよ！
さ、食べな。お前朝から何も食ってないだろ」

「………いただきます」

麺をすする目黒の横顔は儚くて胸が締め付けられる

「、、、なんかいいっすね」

「？」

「カップラーメンも久々っす。こんなにうまいんすね、、、キモがられるぐらい大事な家族がいるのも羨ましいです」

目黒の切ない表情を見てやるせない思いだった。

「なぁ、目黒、、、ちょっと聞きたいことあるんだけどいいか？」

「これ親父にやられたんだ。」

察していたかのように、目黒の口から〝親父にやられた〟という事実を聞かされた。

「お父さんが、、、？」

「まぁ。あんなん親父でもなんでもねーよ。俺はあいつのストレス解消の玩具みたいなもんで…」

「いつからなんだ？そのっ……いつからそんなふうに………」

「俺が高校入ったときかな？………それまでは優しかった。お前は俺の自慢だって、
実の息子でもない俺に毎日のように言ってくれたんだ。」

「うん」

「でも、多分それは俺の成績とかが良かった中学までで。高校になってから初めて学年で2番になっちゃったんだ。

俺的には次頑張れば大丈夫とか言ってもらえるかな？って思ってたんだけど、、、まさかで殴られて(笑)

そこから。1番にならなきゃってあせれば焦るほど取れなくなってって。

そんなとき励ましてくれたのは照たちだった。

でもあいつらあぁ言う見た目だし、親父にあんな奴らとつるむなって怒鳴られて。

俺にとっては大事な友だちだから、あいつらのこと何も知らねぇくせにそんなふうに言われたのが腹立って。

そっからちょっと俺も素行悪くなっちゃったんだよね(笑)」

「そっかぁ、、、、」

「それで、そっから反抗ばっかしてたら、おかげさまで毎日この様よ」

目黒の話は高校生が抱える悩みにしては重すぎた。