06 嫉妬 ページ6
「じゃあ、俺立候補してみようかなー…」
「え?何に…?」
「だから、Aの…「おい、A」
来生の声に被さるように後ろから自分の名前を呼ばれた。
恐る恐る後ろを見上げると、眉間にシワを寄せた浬が立っていた。
「あ、浬…お疲れ様…」
「ちょっと来い」
「いや、でも、もう直ぐ外来の時間…」
「その前には終わる」
座っていた私の腕を引き上げて無理矢理立たせると、何故か浬は来生をひと睨みしてから私を連れて執務室を後にした。
「…嫉妬だな、あれは」
私達が出て行った後、来生がそんな事を呟いているなんて知らず…。
ーーーーー
人が滅多に来ない倉庫へと連れてこられると、浬は後ろ手でバタンと勢いよく扉を閉めた。
ここへ来る間何も言葉を発さなかった浬に、少し違和感を感じていた。
これまで説教ぐらいなら来生の前で散々してきたのに、何故今回に限って倉庫なのか…、
「アイツと仕事以外で関わるな」
「アイツって…、来生のこと?」
ジリジリと近づいてくる浬と逆に私は一歩一歩後ろへと下がるが、直ぐ様後ろの棚にぶつかり逃げ場所を失ってしまった。
「てか、浬にそんなこと言う資格無くない?別に友達と仲良く話してて何がいけないわけ?」
顔横にふわっと風を感じたと思ったら、勢いよくダンッと音を立てて浬の手が背後の棚に置かれた。
「…!」
浬の両腕に挟まれてしまい、いつもと違う雰囲気にぐっと息を飲むと、緊張している私とは裏腹に浬の顔が近づいてくる。
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あおい - これって、自分と、天堂浬がくっつくんですか?教えてください!お願いします! (2021年6月6日 15時) (レス) id: 585e7a9e81 (このIDを非表示/違反報告)
mioパンマン - めっちゃ面白くていいと思います (2020年4月9日 14時) (レス) id: a4269e138c (このIDを非表示/違反報告)
コモリさん(プロフ) - 気になってソワソワします(;_;) (2020年2月12日 1時) (レス) id: 54db963109 (このIDを非表示/違反報告)
みー子 - すごく面白くて毎回更新楽しみにしてます!大変だと思いますが体に気をつけてムリのないペースでいいのでぜひ続けてください! (2020年2月11日 23時) (レス) id: 0fbbcda6a6 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しちゃいました!更新大変だと思いますが、楽しみに待ってます!頑張ってください! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 2af277127c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:如月香葉 | 作成日時:2020年1月31日 0時