28 終わらない夏 ー完結ー ページ28
もう会えないと思っていた。
これ以上想ってても叶わないって思って諦めようとしていたのに…、、
「…私も、好きです」
「…知ってる」
溢れ出す涙をヒカルさんが指の腹で拭ってくれて、そのまま足元に腕を当てられて軽々と身体を持ち上げられた。
お姫様抱っこのままベッドへと降ろされ、肩を押されてヒカルさんが上になる形で押し倒された。
「…浴衣。俺の色で選んだんやけど、これにして正解やったわ…」
「やっぱり、わざと…っ」
折角セットしてもらった髪型もベッドの上で崩れてしまい、その髪にそっとヒカルさんの指が触れて、
「想像以上に似合ってて可愛いわ」
なんてこっちが恥ずかしくなる言葉を言われて、また私の顔はゆでダコかってくらい暑くなった。
「この状況で我慢っていうの無理なんやけど…、脱がしてもええか…?」
髪に触れていた手がいつの間にか、私の浴衣の帯へと降りていた。
大人になればヒカルさんの言う意味も分かるわけで、その熱い眼差しから目を逸らして口を小さく開き…、
「…っ、優しく…、して、くれるなら…」
「…善処します」
それを合図にヒカルさんはそっと私の唇に自分のそれを重ねた。
…ーあの夏、止まっていた時間が動き出す。
また来年も思い出の花火を二人で観れますように。
私達の夏はまだ始まったばかり。
【 fin 】
ーーーーーーーーーー
無事完結致しました。
ここまで読んで下さった皆様ありがとうございます。
夏までに終わらせるぞー!と思って書き始めましたが、完結する頃には9月に突入してました…笑
それでもなんとか完結出来て良かったです。
物語では明かされてない部分や後日談などはまた番外編として出しますので、宜しくお願い致します。
次の長編の内容はまだ決めてないので、暫くは番外編の更新や、誤字脱字などのチェックと編集などしていこうかと思います。
では、また会える日まで。
2019年09月06日 如月香菜
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揶揄 - 最近見始めました!すごく面白いです! (2019年9月22日 9時) (レス) id: f13e29755c (このIDを非表示/違反報告)
虎苦迷花さん推しのぴかちゅう - まぢすこ…(( (2019年9月21日 20時) (レス) id: d00440de79 (このIDを非表示/違反報告)
金亀子?(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです、!!! (2019年9月7日 23時) (レス) id: a3d0a4cc33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:如月香葉 | 作成日時:2019年7月30日 22時