17 夢の人 ページ17
前もあの子に誘われた。
『花火大会行かへん?』
『花火大会…?』
いつも通り公園で遊んでいると、突然男の子はベンチから立ち上がってそう言った。
その唐突な誘いに頭にクエスチョンマークが何個か浮かぶ私。
『それって、花火が沢山打ち上がるやつ?』
『そうそう、地元じゃ有名なんやけど。保護者として婆ちゃんに連れてってもらうからAのとこの親許してくれへんかな?』
『んー…、どうだろ』
親の顔色ばかり伺って生きてきたせいか、そんかイベントごとに行きたいなんて我儘も言ったことないし、だから行く事を許してくれるのかも分からない。
でも、折角なら一緒に見に行きたい。
『あとで婆ちゃん連れてAの親に会いに行くから、一緒に頼んでみようや』
『いいの?』
『当たり前やろ。それとも行きたくないん?』
『ううん、行きたい!ーーくんと一緒に行きたい!』
そう男の子に言った記憶は思い出せるのに、肝心の名前も顔も出てこない。
思い出したいのに、思い出せない幼い記憶。
せめて、顔だけでも思い出したい。
私に背を向けている男の子がゆっくりとこちらに振り返ると、
『A』
「!?」
突然夢の中に現れた人物に驚いて、目が覚めてしまった。
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揶揄 - 最近見始めました!すごく面白いです! (2019年9月22日 9時) (レス) id: f13e29755c (このIDを非表示/違反報告)
虎苦迷花さん推しのぴかちゅう - まぢすこ…(( (2019年9月21日 20時) (レス) id: d00440de79 (このIDを非表示/違反報告)
金亀子?(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです、!!! (2019年9月7日 23時) (レス) id: a3d0a4cc33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:如月香葉 | 作成日時:2019年7月30日 22時