家出、助けます。【梵天】

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そこからは、
面白いモンを飼っているという奴がいないか、
不自然に足が遠のいている客がいないか、探し続けた。




しかし、女を飼うような悪趣味を持っている奴に限って、
大概頭がキレたり、鼻が効く。
そう簡単に尻尾を掴ませてくれない。




そんなこんなで1ヶ月が経とうとしていた、ある日。
意外な所から事態は動き出す。





とある高層ビル、改め、
梵天のアジトに騒がしく入って来たのは、
ド派手なピンク髪の、口元に傷がある男。




？ 「オラ、退け！三途様のお帰りだァー！」




蘭 「うっせーぞー、ヤク中ー。」




竜 「静かにしろー、ヤク中ー。」




春 「おめーら、その呼び方いい加減やめねェと、ぶっ殺すぞ！！ああン？！
俺様はNo.2だぞ、No.2！もっと崇めやがれ！！」




蘭 「うっせーぞー、No.2ー。」





竜 「静かにしろー、No.2ー。」




春 「…上等だ、表に出ろ！スクラップにしてやるよ！！」




九 「…オイ、毎度毎度、茶番はやめろ。頭に響く。」





部下達が、青ざめた顔で見守る中、
三途vs灰谷兄弟が始まろうとしている所に、
3徹明けのココが入って来た。




思わず三途を送ってきた部下達は胸を撫で下ろす。
…比較的常識人が来た…と。
彼らは九井に一礼してから部屋から出て行った。




九 「任務は？」




春 「へっ、今頃魚と仲良く泳いでンだろ。
そっちは例の件何か掴めたのか？」




九 「いや、有力なモンはまだねェ。
正直八方塞がりに近い。」




春 「ンだよ。


…はー、何か面白ェ話はねェのかー？」




ソファにドカッと座った三途は、
眉間に皺を寄せながら聞いた。





竜 「あー。そういや、三途！
お前が管理してるフロント企業。
今日、婚活パーティーって、言ってたぞ。


さっき、お前のこと狙ってる受付嬢から電話来て、
行かせるって返事しといた。


早く行ってこいよ、猫被りの方で行けばイケる。」




蘭 「りんどー、さっきの電話それかよー！
やばい、ウケる！三途が婚活って…くくっ。」



春 「行くわけねーだろ、このバカ谷！
何してくれてンだよ！
あの受付嬢、マジでしつけーんだぞ…！！」




九 「婚活…、婚活か…。」




またしても三途vs灰谷兄弟が始まりそうな中、
九井は口元に手を当て、
ブツブツ何か言い始めた。




蘭 「どしたー？ココー。
婚活してェのかー？
いくらでもいい女紹介してやるぞー。」



九 「紹介…、婚活…、……一般、人……！」

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