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九井が考えていた方針としては、
当面、基本的な仕事はデータ入力と、資料整理。
様子を見て任せられる仕事を検討し、
振っていくというもの。
データ入力は、自室のPCでやってもらい、
空き時間に九井の部屋で資料整理をしてもらう、
予定にしていた。
…そう、あくまで、予定。
まず初日の今日は、マイキーが試したのと同様に、
部下のお粗末な報告書と、関連する資料を、
USBで彼女に5件持たせてみた。
すると、2時間で戻ってきた彼女は、
資料が抜けていると指摘。
確認してみると、
確かに2ヶ月分の記録が抜けていた。
…ここ5年分の中の2ヶ月分の、しかも一部分。おそらく三途辺りなら、気付かないか、匙を投げる。
彼女は追加のデータを持って戻り、
その後1時間半で
完璧な報告書を5件作ってみせた。
コーヒーをUSB片手に戻ってこられた日には、
もう、九井も笑うしか無かった。
『どうしましょう。
資料整理、しても大丈夫ですか?
それとも別のデータ入力を?』
九 「いや…とりあえず昼だから、
メシにするか。
何食いたい?連れていく…って言っても、
まだ服届かねェのか。」
彼女は、医者が気を利かせて持たせた着替えを着ているのだが、
ゆったりとしたラフな部屋着なのだ。
さすがに外出させるには可哀想で、
かと言って、自分の服だと大きすぎるだろう。
九 「どうすっかな…。まぁ、持ってこさせるか。」
九井は部下に一本電話を掛けた。
電話を終えた九井にAが問いかける。
『あの、此処ではみなさん毎食外食ですか?』
九 「あ、あぁ。
毎食と言っても、こんな仕事だ。
食える時に、各自外だったり、部下に買いに行かせたり、適当に済ませることが多いな。」
『自炊は出来ないんでしょうか?』
九 「そもそもそんな繊細な事できるような奴はいねェな。
ただ、一応ビル内にキッチンスペースは設けられてる。
コーヒー淹れるくらいしか使ってるのみたことねェけど。このフロアにもあるぞ?
A、もしかして料理もできるのか?」
『私これでも一応、主婦でしたから。
手料理でもたまにはいいか、っていう時があれば、今度作りますよ。』
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きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» がんばります!ではでは(^^) (2022年11月15日 17時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - 頑張ってください(ง •̀_•́)ง (2022年11月15日 17時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!このコメント欄でのやり取りを繋がってるって言うのかな?疎くてすみません…(^_^;)今作も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年11月15日 16時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - いや…すきで読んでるんで!!!キリンさんとは…本当に繋がりたいです((繋がってるのかな、? (2022年11月15日 16時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 紫月さん、こんにちは。ありがとうございます。お手隙な時にでも、気軽にお読み下さると嬉しいです! (2022年11月15日 16時) (レス) @page23 id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月5日 18時