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side:Daiki
大貴「…どした?」
一旦診察室のベッドに山田を寝かせて、伊野ちゃんが俺を手招きする。
慧「喉の腫れが酷くてさ…咽頭炎起こしてるんだよね。」
大貴「あー…抗生剤じゃダメなの?」
慧「いや、それだと治り遅いかなって。ルゴール使いたいんだけど…。」
大貴「えっ…まじかぁ、苦笑」
ルゴールってあれでしょ、綿棒の先に浸して喉に塗る…。あれは確かに治りはめちゃくちゃ早いしよく効く薬。
けど、炎症が酷ければ酷いだけ薬剤も染みるしそうじゃなくても大人でも相当苦しい処置になる。
迷うところだなぁ…。
慧「来週末にレコーディングあるじゃん?なんとかそれまでには治しておきたいし、喉って他の仕事にもかなり支障あるからさ…。」
…確かに、伊野ちゃんの言う通り。
今日は処置で辛い思いさせちゃうけど、避けて通ったところで仕事が出来ない事に何より苦しむのは山田だ。
大貴「うん…だね、俺もサポートするから。」
会話が聞こえていたのか、ベッドの上からこっちを見る山田の顔は不安そうで。
そんな山田の目線に合わせて、伊野ちゃんは屈んでゆったりとした口調で話し始めた。
慧「…今、凄く喉痛いでしょ?お薬塗って治したいんだけど、ちょっと痛かったり…苦しくなっちゃうと思うの。」
涼介「っ…やだ…っ泣」
慧「嫌だなぁ…でもね、このお薬すっごい効くからさ。今日頑張れば来週のレコーディングには絶対間に合うんだよね。…山田もお仕事したいでしょ?」
俺もベッドの横に座って、静かに泣き始めてしまった山田の手を握る。
慧「動くのは危ないからダメだけど、怖いのも痛いのも我慢しなくていいよ?ここには俺と大ちゃんと、山田しかいないから。」
涼介「ん…っ、いのちゃ…やる…っ泣」
大貴「よしっ、じゃあ俺後ろからぎゅーってしてるからなぁ。」
ゆっくり身体を起こしてあげて、山田の後ろに回って身体を固定する。
大貴「大丈夫大丈夫、すぐ終わるよ。ちょっと一緒に深呼吸しよっか。」
少しでも落ち着かせようと震える山田の背中を撫でていると、準備を終えたらしい伊野ちゃんが戻ってきた。
さて、あともうひと頑張り…。
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ふ ゆ(プロフ) - ゆいさん» たくさんの応援コメントありがとうございました〜!とっても励みになりました^ ^移行先でも宜しくお願いします…! (2020年3月3日 15時) (レス) id: 32b3248ec1 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ゆ(プロフ) - みーさん» リクエストありがとうございました!移行先でも宜しくお願いします^ ^ (2020年3月3日 15時) (レス) id: 32b3248ec1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - パート2でも楽しいお話を毎日ありがとうございました!リクエストも忠実に答えていただいたり、メンバーの特徴をとらえた描写をされていたり…大好きです!また移行して下さった場合には読ませていただきます!ありがとうございました(*^-^*) (2020年3月2日 22時) (レス) id: b95e20b84f (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 更新ありがとうございます とても良かったです また機会があればリクエストさせていただきます これからも更新頑張ってください (2020年3月2日 20時) (レス) id: f0fa747bea (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - お忙しい中更新ありがとうございます〜! (2020年3月2日 16時) (レス) id: b95e20b84f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふ ゆ 。 | 作成日時:2019年12月22日 16時