上京したら犬系&猫系男子に拾われました 2

♯55　カイロ ページ5

Aside




さとみ「俺は、一人の男として見てほしいけど。」




真剣な目で言ったさとみさんの言葉。




一人の男……？



さとみさんが男の人だってことくらい私も……



いや、違う。



さとみさんは異性として見てほしいって言ってるんだ。



でもどうしたらいいんだろう。




頭をフル回転して考えていたけど、次から次に疑問が浮かんでくる。




さとみ「そんなに深く考えなくていいよ。」




さとみさんはくすっと笑っていた。




さとみ「そのうち、分かると思うから。」




『？』




更にわからなくなった。



と、さとみさんは優しく微笑んだ。




さとみ「散歩しよっか。」




さとみさんの言葉に頷き立ち上がると北風が通り過ぎていった。



思わず体を縮めると手を差し出された。




さとみ「……繋ご？」




そう言ったさとみさんの顔は少し赤くなっている気がした。




暑くても寒くても顔って赤くなるよね。




なんてのんきに考えながら




『はい！』




返事をした。



喜んで手を乗せるとふいっと前を向いて歩き出した。



さとみさんの手は暖かかった。



カイロよりも





あたたかかった。

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