もう少しそばにいて season２

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渡辺 side




泣きそうな顔してパタパタ走ってくAの背中を目で追いかけた。







『ちょっと追いかけなくていいの？』


『お前大丈夫かよ、あの子泣いてたぞ』








……追いかけられるわけないだろ。








あいつらが付き合ってから気持ちが消えると思ってたのに消えるどころか増えてく一方で



もっと簡単に諦められると思ってた。
辛いの目黒だけじゃねーから。






実はずっと苦しんでましたとか今更言える？






あいつを応援してる横で、
ずっと好きな人が一緒のやつを応援してる俺が







その2文字だけの、たった一言だけの

軽そうに見えて本当は思ってるよりもずっと重いその言葉を









……簡単に言えるわけが無いんだよ。










目黒の時もなんで俺じゃなくてあいつならいいんだろってめっちゃ思ったけど、

それは俺も本当は心の奥底の方で誰も気づかないくらい小さな " 羨望 " があったからだ。









渡｢気づかなくていいんだよ、誰も｣











そう、ふっかにも佐久間にもりょうたにも


そしてあいつにも











気づかれないようにしなきゃ
この関係が無くなっちゃうんだから。










お前は良い奴だからさ、
俺がこの気持ち言っちゃえばさ


ちゃんと考えて、そして悩んで
ふっかにも言えずに誰にも相談せずに


また1人で抱え込んじゃうんだろ？






やめとけよ。
知ればお前がまた辛くなる。








『あ、前言ってた好きな子と上手く行ったからほかの女の子とは話さないやつ？』


渡｢…ちげーよ(笑)｣








会社のやつに、前好きだと盛り上がった話の主人公がアイツだと知られれば間違いなく即終了。










ごめんな。




近所の子なんて嘘ついて。



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