もう少しそばにいて season２

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A side.





車でいっぱい泣いた。


自分の不甲斐なさに悔しさを覚え、前を見た。




きっと、ここで私が翔太くんへごめんなんて思ったところで私たちの関係が平和になる訳でもなさそうだし。





たつやくんのお家へ行こう。

たくさん甘えよう。

ちゃんと好きだってことを伝えよう。



大好きだよって。

翔太くんに押して貰えた背中が小さくならないように。





そうだ、久しぶりに野菜炒めを作ろう。






久しぶりに来たたつやくんのお家の前に立ってみると早くたつやくんに会いたくてたまんない。






怒ってるかなあ、また喧嘩になっちゃうかなあ




って


色々考えるけど、もう考えてる暇なんてない。





震える手がたつやくんの部屋の番号をゆっくり押した。






……なかなか出てくれないたつやくんに緊張してしまう。



え、いや、遅い……よね？

結構本気で怒らせちゃってる…？



いつもならすぐに出てくれるはずなのに
出て来ないから電話をかけた。



ずっと耳元で聴こえるのは呼び出しされる音だけ。





…………あれ、出ない…





無駄なドキドキが募っていって
どうしようが止まんなくなってきた。







………どうしたら…

深｢A！！！｣



エントランスの扉が開いたと思ったら飛びついてきたたつやくん。





｢たっ…｣


深｢来んの遅い！！！｣


｢ご、ごめ…｣


深｢は〜〜〜めっっちゃ会いたかった…｣





潰されそうなほど強い力で抱きしめられる私は
なんて幸せものなんだろう。





｢………うん、大好き｣




ピクッとしたたつやくんは何も言わずに力を入れ直す。





鼻いっぱいたつやくんの香りで広がって
とても幸せだ。


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