もう少しそばにいて season２

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渡辺 side.






荷解きの途中、1つのお土産を手に取った。






渡｢…どうやってふっかに渡そ｣



当たり前のように買ってきちゃったから渡す方法なんて考えてなかった。


…まあ、佐久間にでも預けりゃいっか。




＿＿＿＿＿＿ ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ




チャイムが鳴って、佐久間かななんて気にもせず存在を確認したら






渡｢………A｣


『ごめん…どうしてもお話したいの』





……………なんで何回も拒んでんのにそれでも来んの？




帰って、って頭の中では言ってるのに
俺は無意識のうちにエントランスの入口を開けていた。








ずっと目を逸らして逃げていた存在。







｢ごめんね、急に来ちゃって…｣


渡｢…マジでな。｣


｢…うん｣




入って、と促せば小さくおじゃましますをつぶやいてそっと靴を脱いだA。




｢…………ピアス、付けてくれてるんだね｣





バッと耳に手を当てて見えないように隠した。




ピアス、付けてること気づかれた。

嬉しいような…恥ずかしいような……





渡｢……なに？何しに来たの？｣





こいつの話はあんまり聞かない方がいい。


どうせふっかの話とかだ。聞くだけ毒。





｢うん、翔太くんあのね｣


渡｢てか早くふっかのとこ帰ってやれば？お前らケンカしてんだろ？早く行かねえとまたふっか拗ねるぞ｣


｢翔太くん、聞いて｣


渡｢お前とはなんも話すことない｣


｢あるよ！あのね｣


渡｢そうだ、お茶飲む？北海道行った時さ、美味しそうなお茶見つけて｣


｢翔太くん｣


渡｢温かいのと冷たいのどっちがいい？｣


｢翔太くん！！｣


渡｢やめろって！！！！お願いだから…っ、もう何も言うな………っ｣





………早く…帰れよ…


なんでそんなずっといんだよ…







話を聞きたくなくて、早くどうにか出て行ってもらいたくて。


でなきゃおれ、いまちょっと触れちゃいそうで危ない…


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