姉さん 。【伊黒小芭内】

。28 ページ30

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿









.








カナエちゃんとしのぶちゃんが親戚の元へ送られてから半月が経つ。時が経つのは早いものだ。

小芭内も杏寿郎との手合わせで一本取れるようになってきた。
が、私は少し違和感を覚える。









「小芭内、おまえは右からの攻撃に弱いね。本当」









私と手合わせをし、右からの攻撃に反応出来ず尻もちをついた小芭内に私はそう言った。

左側からの攻撃にはほとんど反応出来るようになった。けれど、右側は左側と比べたら全然だ。









「…まさか小芭内、おまえ」








" 右目が見えていないんじゃないか "
そう小芭内に問おうとしたのと同時に、玄関の戸を叩く音が聞こえた。

小芭内が玄関に向かい数十秒、ドタバタと走る音が聞こえその音はどんどん大きくなっていく。








「あ、Aさん本当にいた！」

「ちょっとしのぶ…！」



「ごめん姉さん、止めたんだけど勝手に入っていっちゃって…」








稽古場には見覚えのある子が二人。半月前に別れたカナエちゃんとしのぶちゃん
状況についていけずにいると小芭内は私の元へ来てコソッとこう言った。









「なんか、姉さんに全集中の呼吸を習いに来たって…」

「……ん！！？」








それを聞いたのと同時に目を大きく見開き、二人を見る。

どういうことだ、二人は親戚の元へ行ったんじゃないの？それに全集中の呼吸を習いに来た？？そんな私塾に行くみたいな感じで？
脳内で一人で会話をし、目を回しているとしのぶちゃんは私にこう言った









「水の呼吸？っていうやつは基本的な技が多くて初心者にやさしいからって悲鳴嶼さんが」









.

。29→←。27

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す