第三章〜騒ぎを起こした罪で後編〜 ページ10
百合「なあ」
百合は先ほど放った武士の言葉にとうとう堪忍袋の緒を切らしてしまったため、声も低くなっており、普段から眉間のシワが二三本あるがそれもさらに増え深くなっていた。
武士1「は、はい!」
男は百合の怒ってますオーラに怯えさっきまでタメ口だったのが敬語になっていた。
百合「お前、武士の本当の意味を知ってるか?」
武士1「武士の本当の意味?しらねぇよそんな事」
突然の百合の問いかけに男は戸惑う。
百合「しらねぇで、ずっと武士を名乗っていたのか!?呆れるな。貴様が知らないというのならこの俺が教えてやろう」
武士1「あ?なんで、お前そんなん教えてもらはなくちゃぁならねぇんだよ!」
百合「黙れ!愚かな武士の貴様にお前呼ばわりされる覚えはない!」
男の反論に、百合は大きく反応する。
百合「女、子供から奪った金を奪うとは…貴様の腐りきったその根性、叩きなおしてくれる!さぁ、そこえなおれ!」
パチパチ、パチパチ
斎藤「そこまでだ。双方止め!」
百合「!?」
武士1「!?」
突然の拍手の音と、誰かの乱入により決闘は一時中断された。
実は、このままでは危険と判断した、斎藤と沖田はひどい事になる前に止めに入ったのだ。
沖田「いや〜、お見事」
止めに入る前に、百合の事を見ていた沖田は垂直な感想を述べた。
百合「何ですか?邪魔しないでください」
沖田「何ですか?じゃないよ。全く…」
斎藤「そこのお前」
武士1「!」
男は今自分の目の前にいる、人斬り集団の新選組がいるとわかったのか、すっかり怯えきっている。
斎藤「早く、行け。お前は武士としての恥だ」
沖田「早く行かないと切っちゃうよ♪」
武士1「チッ、おぼえてろよ!」
男は沖田と斎藤の両方に睨まれその場から逃げるように走り出した。
沖田「あんな奴の事覚えてるわけないじゃん」
斎藤「俺も、総司の意見に一票」
沖田「珍しく、意見があったね」
斎藤「あぁ」
ポカーン
百合はそんな二人のやりとりをぼーっと見ていた。
沖田「君、一緒に来てもらうよ」
百合「は?」
沖田の口から出た言葉に百合は間抜けな声を出した。
斎藤「あんな騒ぎを起こしたのだからな」
百合「え、あ、ちょ」
百合の意見も聞かずどんどん話は進められてゆく。
雪「!百合様が危ない!」
椿「!?雪お姉様!?」
火龍「あ、おい!どうしたんだよ」
泉「一体なんだって言うんだ?」
人混みの中雪は力任せにかき分ける。
【次回こんな時は逃げるが勝ち!】
第三章〜こんな時は逃げるが勝ち!〜→←第三章〜騒ぎを起こした罪で前編〜
33人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時