第三章〜騒ぎを起こした罪で前編〜 ページ9
ざわざわ
沖田「ん?なんか、あっちさわがしいよ。一くん」
斎藤「あぁ、そうだな」
沖田「ちょっと、行ってみようか」
トテトテ
沖田「ねぇ君、これなんの騒ぎ?」
巡察帰りにこの騒ぎを見つけた、斎藤と沖田は野次馬の中にいるある村人に声をかけた。
村人1「あ、浅葱色の羽織し、新選組だー!」
"新選組"という言葉が飛び出したら村人たちの半数が逃げ出した。
村人2「新選組だと!?」
村人3「きゃー‼︎」
村人4「こ、殺さられるー!」
沖田「ちょっ、そんなに怯えなくても」
斎藤「あぁ。罪なき者を」
沖田「殺す訳ないのにねぇ」
…
沖田「そこの君!」
村人1「?、!な、なんですか?」
斎藤「この騒ぎは一体なんなのだ?」
村人1「なんでも、とある旅人の少年が武士と決闘をするらしいです」
沖田「とある旅人の少年が」
斎藤「武士と決闘?」
沖田「ふっ、はははは!面白いねぇ。その子」
斎藤「総司…笑い事ではないぞ」
沖田「ごめん。ごめん」
斎藤「で、この成り行きは?」
村人1「さぁ?」
沖田「さぁ?」
斎藤「その反応は、知らないのか?」
村人1「えぇ、俺はさっき来たばっかですから」
斎藤「なるほど…」
二人は、河原に立っている二人に視線を向けた。
沖田「でも、まずはこの決闘を見届けたいね」
斎藤「そうだな。さて、どうなるか」
普段は釣りにやってくる釣り人と、数少ない子供が来る河原だが、今日はこの決闘戦があるため、河原は人、人でいっぱいだ。
それはまるで…
沖田と斎藤は、この決闘戦の行く末を見守る。
そんな、二人からの視線に百合は気づいていた。
百合「新選組…か、面白い」
武士1「ん?何か言ったか?」
小さく履いたその声は、どうやら相手には届かなかったらしい。
百合「いいや、なんでもない」
武士1「そろそろ始めるか」
百合「あぁそうだな」
百合は前々から武士という本当の意味を知っていた。
だから、今、目の前にいるこの男(武士)に貴様は本物の武士などではない!と心の中でずっと思っていた。
武士1「あ、そうだ」
百合「なんだ?戦いの最中に話しかけるとは随分余裕だな」
武士1「俺が、もしこの戦いに勝ったらお前の持ってる金、全額よこせよ!この俺がお国の為に使ってやる。ヒヒッ」
戦いの最中で、この男の履いた言動によりとうとう百合は堪忍袋の緒を切らしてしまった!
【次回騒ぎを起こした罪で後編】
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作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時