第八章〜屈辱〜 ページ27
匡「くくく、だって、考え事してて普通迷うか!?ははは!」
そう言って不知火は腹を抱えて笑いだした。
涙目になるくらいまで。
百合「そこまで笑わなくてもいいだろ!」
こいつに、笑われるなど屈辱…いや、一生の恥だぞ。
匡「おい。姫さん」
百合「なんだ?」
なんだ、やっと謝る気になったか。
匡「今、言ってた事全部聞こえてたぜ」
百合「は?お前何言ってんだ?」
匡「いや、だから。今言ってた事丸聞こえ」
嘘…だろ?
匡「いや、ほんとだから」
おい嘘だろ?今言ってた事全部聞こえてたのか!?
かぁぁぁ!
我とした事がなんとゆう!
匡「姫さん、俺の事、そんな風に思ってたのか」
ポキ、パキ
百合「お、おおお落ち着け!」
匡「ん?なにが?」
ポキ、パキ
ひぃぃ!
百合「いや、だから指鳴らして黒い笑み浮かべてこっちへ来るな!」
そう、現在不知火はこの世の者とは思えないほどの顔でこちらへ近づいてきているのだ。←
匡「それは無理だな」
本音がころっと滑っただけでこんなに怒るのか!?不知火の性格ってこんなだったけ?
トサッ、トサッ
匡「あぁ、でもやっぱ」
不知火は、自分を見て怯えている少女を見下ろした。
殴られる!
そう思っていたがなかなかその殴られた時の衝撃がない。
おかしい。
百合「不知火?」
不知火は百合を殴ろうとした手をじっと見つめていた。
やがて
匡「やめだ」
そう言い、振り上げていた手をゆっくり下ろした。
百合「お前どうしたんた?」
不知火の行動を見ていた百合は目をパチクリさせる。
匡「俺には女を殴るなんて趣味はねぇ。だから、やめた」
百合「…なんだそれ?」
匡「ま、そういう事だ」
_______ニヤリと、不知火が笑いそう言った。
百合「意味わかんねえし。それに、不知火がそんな事を言っても全然かっこよくないからな」
それから互いの顔を見合わせて笑いあった。
涙が出るくらいに…
匡「それじゃあ、姫さん。俺はもう行くぜ」
百合「いくのか?」
匡「あぁ。日も暮れてきてるしな」
百合「そうか…」
匡「それじゃあな。姫さん」
百合「あぁ」
百合は木の上を、うさぎのようにぴょんぴょん跳ねて帰る不知火の背中を見つめ、見送った。
♢
♦︎
♢
百合「さぁ、そろそろ我も帰るか」
人っ子一人居ない森の中で百合は立っている。
さすがに危険なので夜になる前に帰ろう。
そう、思い足を進めた。
百合「それにしても、懐かしいな」
【次回蘇る幼き頃の記憶】
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作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時