第七章〜名〜 ページ22
百合「名前で呼び合う?」
?「それはいい考えですね!」
?「でしょう♪」
名前でか。
百合は泉と火龍以外に名前で呼ばれた事がない。いつも様付けが多い。
百合「では、二人の名を教えてもらえないだろうか?」
百合がおずおずと聞くと一人の女性が答えた。
海「はい!私の名前は海といいます!」
そうか。
海という名なのか。
空「私の名前は空と申します」
海と空か…
百合「どちらにしても」
珍しい名前だ。
この世には、空と海がある。
空は高く高く青く澄んでいて、海は深く深く黒くなっている。
どちらもまったく異なるものだ。
空「ではこれからよろしくいたします。百合」
海「おねがします!」
百合「あ、あの。二人とも」
空「何ですか?百合」
百合「そ、その、呼び方は名前なのに話し言葉が敬語っていうのは少し可笑しいとは思はないか?」
空「言われてみれば」
海「確かに」
百合の言葉に二人は頷いた。
空「では、こういうのはどうでしょうか」
海「何々、どんなの?」
空「仕事中は立場上敬語で、それ以外三人で遊んでる時とかは敬語なしっていうのはどうでしょうか?」
百合「それは良い考えだな」
海「じゃあ決まり!今から私たちは友達だね!」
海は百合の手を取った。
空「今日は私たちが友達になった記念日ね!」
空も百合と海の手の上に重ねた。
百合「空…海…」
空と海は百合の手を取ってからにっこり笑ってこう言った。
空/海「これからよろしくね!百合‼︎」
百合「うん!!こちらこそよろしくね!空!海!」
百合も二人の笑顔に負けないくらいの笑顔を作って言った。
空と海はまったく異なっているものだ。だが、一つだけ共通しているものがある。
それは…
"どちらも、儚く綺麗で美しい"ということ。
【次回風間と天霧】
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作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時