第三章〜こんな時は逃げるが勝ち!〜 ページ11
雪「百合様!」
いち早く、百合の危険に気付いた雪は急いで主人の元へと走り出す。
雪「はぁ、はぁ。ま、間に合いました!」
百合「雪!?」
百合は必死で走ってきた雪に驚く。
泉「あぁ、なるほど」
火龍「雪が急いでいたのはこういうことか」
雪の行動を不審に思っていた二人も、いまはこの状況を見て、納得する。
斎藤「お主らは、こいつの連れか?」
火龍「そうだが」
斎藤「なら、ちょうどいい」
三人には、斎藤の言っていることが理解できなかった。
雪/火龍/泉「?」
未だ、三人は頭に?マークを浮かべている。
そんな三人が思っていることを察したのか、沖田が疑問に答えた。
沖田「今から君たちには屯所に来てもらうよ」
雪/火龍/泉「はぁ!?」
雪「え、あの。なんでですか?」
斎藤「それは、町中で騒ぎを起こしたからだ」
泉「町中で騒ぎを起こしたから…」
〜心の中の会話〜
雪(百合様!一体どうなっているのですか!?私たちがいない間に!)
雪(そ、それは、その…)
火龍(全く、百合のせいで俺たちまで巻き添えを食らったじゃないか!)
百合(ごめん…)
泉(これで百合から目を離してはいけないということがわかったな)
火龍(でも、どうする?このままじゃ、俺たちあいつらに捕まっちまうぞ?)
百合(うーん。そうだな)
雪(百合様、いかがいたしましょう)
百合(よし!こんな時は!)
泉(まさか…)
沖田「ねぇ、君たちさっきから何コソコソ話してるの?」
斎藤「早く行くぞ」
一と呼ばれた男が手を伸ばしてくる。
百合「こんな時は逃げるが勝ちだ!」
百合はそう叫んだ後勢い良く地面を蹴った。
斎藤/沖田「!?」
百合の突然の逃亡により二人は大きく驚く。
だが、すぐに冷静さを取り戻した斎藤は同じ組みの隊士の一人にこう告げた。
斎藤「松本!お前は今すぐに屯所に帰り土方副長にこのことをお伝えしてくれ!他の者達は俺について来い!」
松本と呼ばれた青年は走って屯所に戻る。
他の隊士達は組長に指示されたとうりに動く。
そして、もう一つの沖田の組も
沖田「ほら、君たちも行くよ!」
沖田の掛け声の合図により、動き出した。
その頃、百合達は
雪「はぁはぁ全くしつこい人たちですね」
火龍「どこまで追いかけてくるんだ?」
泉「なぁそういえばさ」
雪「どうしたの?泉」
泉はぎこちなく口を開いた。
泉「さっきから思ってたんだけど、椿の姿が見当たらないのだが」
百合/火龍/雪/泉「えぇー!?」
【次回報せ】
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作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時