能面執事２【紫】 (ページ13)

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63. 今と今更ページ13

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「濱田さんとデートしたんやろ？」

「えっ、なんで知ってるの？」

「しげから聞いた。」

重岡か…

重岡と流星は、小中が一緒だったらしい。

つまりは重岡も、まぁお坊ちゃんってことだけど

なんで運転手なんかやってるんだろう。

まあいいか。

にしても、口軽いな重岡！

「で？どうやった？

ちゃんと濱田さんのこと見た？」

顔を覗かれてちょっとどもりながら答える。

「そ、その、

……見てたらなんか好きになっちゃって…」

「え、今？」

眉をひそめる流星。

「え？何が今？」

「今更気づいたんって」

「今更も何も、この前好きになったんだから…」

「ちゃうよ、Aはずっと濱田さんしか見えてへんよ。」

「何それ…」

「ま、今は意味わからんと思うけど。

俺もそうやったし。」

「…え？」

「とりあえず、想いだけ伝えんのもアリやと思うで。

モヤモヤしたままなんも苦しいやろし。

ま、後Aに必要なんは勇気やな。」

「はぁ…なんか言えない気がしてきた。」

「俺の親友なんやったら絶対言える。」

「なにそれ」

思わず笑った。

「A。

行動しぃひん限りはなんも動かんからな。」

頑張れよ、そう言って肩に手をポンと置いて、

すっかり仲良くなった、父親2人と恋人の元へ戻っていった。