小瀧くんの専属××

Secret20 ページ20

重岡side





最初は、変わった子が来たなーって思っててん。







ジャニーズの専属になったにも関わらず、
全く興奮していない自己紹介。







自分のことを名前で呼ばれることを嫌い、

また、メンバーのことを名前で呼ぶことも嫌う、

不思議な思考。









全部、全部、君は他の子と少し違っていた。









そんな君に、


他のメンバーよりも近い関係になりたいと、


特別な存在になりたいと、


思い始めてしまっていることは否めない。





彼氏？そんなの、気にせーへん。


そう思ってしまうほど、君が愛おしい。









今まで、青春も、何もかも、

ほんまに全てを捧げてきたこの職業を全うするには

そんな存在、いてはいけないわけで。






でも、小瀧だって、流星だって、

好きな人おるやん。







俺、ずーーーっと我慢してきたんやで？





初恋、ぐらいしてもいいやんなぁ…









.









.









これ程思っているのに、俺は君を傷つけた。






いきなり手首掴むなんて、怖いやんな。





それくらい、なんでわからんかったん。





最低やん、俺。









席に戻ってきたら、

小瀧が血相変えてトイレに行った。







なぜか、彼女の荷物を持って。









数分後、仲良さそうにトイレから歩いてきた二人がいて、



席に戻るかと思いきや、



そのままお店の外へ行ってしまった。









待って、待って。




すぐ席戻ります、言うたやん、自分。




なに、小瀧に送ってもらってるん？





具合悪いなら、彼氏さん、呼べばええやん。









…なんて、既に、



俺が送る、っていう選択肢がないのは、




俺が彼氏の位置に立つ、っていう考えがないのは、





あの二人の後ろ姿が、



恋人同士に見えてしゃーないから、やろうな。

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