ONE to SEVEN

-24- ページ24

紫side



俺に体調悪いってバレてから素直になってたしげ。






せやのに、




さっき起きてからはまた強がっとる。




明日の仕事も行くって言うし、



なによりしげから薬飲むって言うとは。







　「お薬飲むなら、なんか食べなな？

　 食欲はどう？」



赤「…食べたない。でも、薬飲む…」




なんか胃に入れたらええんよな。



　「よしゃ、じゃあゼリーにしよか。」



赤「ん、ありがと…」





飲むタイプのゼリーを渡すと、



ゆっくりゆっくりやけど飲めてるみたいや。





赤「ん、はまちゃ…も、いい…？」




　「半分くらいは飲めたな、えらいな？」





頭を撫でて微笑んでやると、



こわばってた表情が少し和らいだ。







さっきうなされてたのもやし、


最近なんかあったんやろか。





しげに薬を渡しながら考える。



思い当たるものはないけど…聞いてみるか。





　「お薬効くとええなあ。


　 しげ、最近なんかあった？」




赤「んーん、なんも…」



　「そっかあ、さっきの夢は大丈夫？」




赤「…ん、もう忘れた…」








嘘やろなあ…



でも言いたくないものをあんまり問い詰めても、




きっと辛いやろうし。







　「しげちゃん、寝るまでちょっとお話しよっかあ」



赤「なに…？」




　「この前な、淳太が…………」




なんでもない世間話をしていると、





赤「ぐすっ…はまちゃ…」




　「おぉ、どした、しんどなった？」







赤「ぎゅっ…て、して…」




　「ん、ええよ。」





また少しずつ、甘えだしてきた。




しばらくぎゅーっと抱きしめていると、






ぽつり、ぽつりと話しだした。




最近ある番組の監督さんに言われたこと、




さっきの夢のこと、




そして最後に、





赤「甘えて…ごめんなさい…」






　「今のしげちゃんの悪いところは、メンバーに甘えないところ。

　 俺たちはいつでもそばにいるんやで。」




そう伝えると、糸が切れたように泣き出した。





赤「うぅ、ぐすん。じゅんた…あきと…」





　「うんうん、2人とも心配してたよ。


　 あとの3人も。みんなに連絡入れていい？」






赤「ん…」




やっと、みんなにも体調崩したと伝えることを承諾してくれた。





心のケアもしてあげないと、


今回のお熱は下がらないやろうな。

-25-→←-23-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す